第51回神奈川県看護賞を受賞した 花井 恵子さん 若松在住 64歳
患者と職員に捧げ40年
○…院内を颯爽と歩くその素早さに驚かされる。小柄な体できびきびと、一方腰を下ろし話し出すと相手を安心させる。看護の現場を走り支えてきた逞しさと優しさが滲み出ている。5月の看護週間に合わせて保健師、助産師、看護師として長年活躍し顕著な業績を挙げた人をたたえる『県看護賞』に今年、市内で唯一選ばれた。患者の安全や安楽が守れる療養環境、働く看護職員の人事管理や育成に注力したことなどが評価された。北里大学病院に入職し40年以上”北里一筋”で務め、現在は同大学東病院の副院長・看護部長を兼任する。
○…生まれは福岡県。幼少から高校まで九州の地で過ごした。進路を決めかねていた高校2年の冬、看護師である叔母に相談。夜間勤務を見学し、その仕事ぶりに惹かれた。福岡の看護学校時代、北里大学病院の当時の看護部長が講義に来校し、これが北里との出会いとなった。「看護師は医師の指示で動くのでなく患者さんのために看護を提供する、自立した独自性のある仕事」。目指すべき姿がみえた瞬間だった。
○…仕事以外に何か始めたいと入職時に出合った「スクエアダンス」歴は早40年。フォークダンスの一種で、軽快なリズムに乗って隊形を変化させながら快活に動く。ダンスで出会った夫と共に、休日は例会(練習)、パーティと忙しく過ごす。一人娘は同じ看護師の道を志した。よき理解者の家族に支えられている。
○…患者の体を診るならまず体を知らねばと希望した「手術室」には10年在籍した。1分、1秒を争う現場は「それは戦場のよう」と振り返り、しかし「一度もやめたいと思わなかった」という。「使命感と言えば大げさだけど。やるしかないから」。様々な診療科で患者、職員と向き合い40年。現在は管理者として俯瞰した立場から地域医療へ目を向ける。「各医療機関と連携する、その道筋を作れれば」とまだまだ走り続ける。
|
|
|
|
|
|