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さがみはら南区版 公開:2016年10月13日 エリアトップへ

10年間カンボジアやラオスで地雷撤去に尽力してきた 伊藤 農利夫(のりお)さん 中央区共和在住 74歳

公開:2016年10月13日

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海を越える「人を助けたい」

 ○…「完全に地雷をなくすまでにかかる時間を、短縮できる方法はないか」―。10年前、火薬を学ぶため所属していた、火薬学会の発破専門部会長から依頼を受け、仕事柄、火薬類を取り扱ってきたこれまでの経験を活かす挑戦が始まった。時間も労力も資金もカンボジアなどでの撤去活動に注いできたが、「大変と思ったことはなかった」。そして10年目の節目となる今年、現地で最後の仕事を終えた。

 ○…宮城県石巻市に、8人きょうだいの末っ子として生まれた。6歳の頃、初めて見た真っ白な船に衝撃を受け、航海士になるのが夢に。風景画を描けば、決まって海と船を描写した。「見えない水平線の向こうに、国があることが不思議だった」と、茶目っ気のある笑顔を見せる。高校卒業後は、念願の海運会社へ就職。20代で世界中を渡航した後、子どもの誕生を機に「家族との時間も大切にしたい」と義兄が経営する解体業へ転身した。その後、35歳で独立。撤去作業の命を受け、再び海を渡ることになったのは64歳のときだった。

 ○…「仕事を忘れて、一人で集中できるのがいい」と趣味の時間も大事にしている。小学生から始めた切手収集はアルバムが10冊を超え、今ではゴルフ、スポーツ射撃、旅行とその裾野を広げてきた。17年間も嗜んできた能面作りは、これまで20面を作成。「大変だけど、自分が思った以上に良くできている」と自負した作品は、どれも職人さながらだ。

 〇…地雷撤去や調査で現地に滞在した日数は優に300日を超える。その中で、地雷を撤去し元の姿となった土地は数万ヘクタール。今では、地雷原が学校や野菜畑、道路、用水池に生まれ変わり、たくさんの笑顔が生まれている。道を歩けば現地民に声をかけられ、お茶を勧められることも。次なる夢は、日本からカンボジアなどへ企業を誘致し、現地民の雇用を生むこと。「人を助けたい」という実直な思いは、どこまでも広く、深く、海を越えてゆく。

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