さがみはら南区版 掲載号:2017年4月13日号

問われる「共生」

50年の貴重な交流存続を

第3回 千木良地区連合自治会 長谷川兌(とおる)会長

取材に応じる長谷川会長
取材に応じる長谷川会長

 障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた入居者殺傷事件を考える連載企画の第3回目。今回は「障害者と地域」をテーマに、事件が起きたやまゆり園があった千木良地区の9自治会で成り立つ千木良地区連合自治会の会長を務める長谷川兌(69)会長へ「これまでの地域とやまゆり園、今後のあり方」などを聞いた。

 定年までは学校の教員を勤め、障害児教育にも積極的に取り組んできた長谷川さん。40年以上前から千木良地区に移り住み、2年前から同地区の連合自治会会長を務めている。津久井やまゆり園は、東京オリンピックが開催された1964年に千木良の地に建立され、半世紀以上も住民と様々な交流をして、地域にとってなくてはならない施設であったことを紹介する。「事件が起きるまでは、津久井やまゆり園は千木良地域に深く溶け込んでいた施設でした。入居者の方には、自治会の運動会や盆踊り(夏の納涼祭)、小学校の運動会などに参加していただいたり、文化展に作品を出品してもらっていました。また、我々住民が犬の散歩などの際に入居者の方に会うと、気軽に声をかけあったり、お互いに挨拶をするなど、日常生活の中でも様々な交流をしていました。特に施設が県による運営の時は、多くの地元の住民もやまゆり園で働いており、より身近な存在でしたね」と振り返る。

 そうした中、起きた今回の事件は、まさに寝耳に水の話しだったという。「あの事件が起きた時は、本当に驚きましたし、何てことをしてくれたのだと思ったのが素直な感想です」と憤りを見せる。 

 事件後の県の対応に関しては、概ね賛成の方針だ。「自治会の立場からすると、高齢化、過疎化が進む千木良地区において少しでも人が来て、住む人が多くなって欲しいと願う中で、雇用という面では絶対存続して欲しいというのが願いでした。もちろん、入居者の方にとっても、移転ということになると、生活環境も変わり、精神的な負担も大きいでしょう。現在、建て替えという方向で協議が進められていますが、決定するまでは不安な部分は正直あります。建て替えということになると、全てが完了するまで少し期間はかかりますが、致し方のないことだと理解しています。あれだけの大きな事件の後ですし、我々も今後の方向性を見守って行きたいと思っています」と話す。

 最後に、地域とやまゆり園の関係が、長年の交流の中で培ったものであることを強調する。長谷川さんが千木良に来た、昭和50年代初旬には、多くの交流が行われていたという。「昨秋の千木良小学校の運動会にやまゆり園の入居者の方々の参加がなくて、今年は是非とも来てほしいと話していたと聞いています。運動会や音楽などを通じて、障害者の方と触れ合う機会があるというのは、子どもたちにとってはものすごく大きなことだと思います。入居者の気持ちが一番ですが、千木良地域としては、今後も変わらず支援、交流をしていきたいと思います」と話した。
 

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