神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

大野台公民館でコンサートを続けるピアニスト イリーナ・メジューエワさん 東京都新宿区在住 35歳

公開:2011年5月19日

  • LINE
  • hatena

来日13年「ここで演奏全うする」

 ○…昨年、ショパンのノクターン21曲を収録したCDが、レコードアカデミー賞(音楽の友社)の器楽部門賞に輝いた。その公演活動は全国のコンサートホールにとどまらない。大野台公民館(南区)では2000年以来、毎年4月、ミニリサイタルや小中学生対象の一日音楽教室を開催。自らマイクを握り、流暢な日本語で子どもたちと接する。

 ○…「暗譜が常識」の舞台上でも、譜面を見ながら弾く姿勢を貫く。ある時、練習中に譜面を意識して弾いてみたら、「あまりにも作曲者の指示を省みずに、自分の感情に任せて弾いていたことが分かった」。実は、20世紀最大のピアニストと称されるリヒテルも晩年は舞台で譜面を見ることがあり、「若いうちに楽譜を見て弾く習慣をつけなさい」という言葉を遺している。「偉大な先輩の経験に基づく助言を大切にしたい」と以来、それを実践している。

 ○…国際コンクール優勝をきっかけに1992年、ヨーロッパを中心に公演活動を開始。初来日は95年。「言葉や文化はまったく分からないのに、なぜか『帰ってきた』というか、アットホームな感じがした」。2年後、結婚を機に、日本に拠点を移した。今では、月に1度は歌舞伎へ通うほどの伝統文化通だ。贔屓は「(中村)吉右衛門!」と目を輝かせる。

 ○…震災後、「地面が動くこと自体が、ありえない」という母国の両親から帰国を促すメールが届いた。「日本文化には他の国にはない柔軟性や多様性がある。それは『地面が揺れる』という風土の影響もあるのではと思いました」。最近、ドイツに留学しているという日本人の音大生から「中学生のころ、あなたのコンサートを聴いて、音楽の道に進もうと決めた」と手紙が来た。「大切なのは、ひとつの仕事をやり続けること。続けることで夢も見えるのでは」。だからこそ「人生を全うする場所はここ(日本)」と断言する。
 

さがみはら南区版の人物風土記最新6

東 正充(あずま まさみ)さん

相模原商工会議所青年部(相模原YEG)の第28代会長に就任した

東 正充(あずま まさみ)さん

南区在住 42歳

4月25日

高柳 和富さん

自宅で「レコードを聴いて音楽を楽しもう」を開催する

高柳 和富さん

相模台在住 65歳

4月18日

黒沢 愼五さん

さがみはら介護支援専門員の会の代表を務める

黒沢 愼五さん

相模原市勤務 43歳

4月11日

古今亭 佑輔さん(本名:高橋 友里恵)

若手落語家として活躍する

古今亭 佑輔さん(本名:高橋 友里恵)

相模原市在住 30歳

4月4日

小池 優華さん

第77回全日本学生音楽コンクール全国大会フルート部門で第1位に輝いた

小池 優華さん

南区在住 16歳

3月28日

中本 茂美さん

ソレイユさがみで「お父さんのための読み聞かせ講座」の講師を務める

中本 茂美さん

松が枝町在住 72歳

3月21日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月6日0:00更新

  • 1月19日0:00更新

  • 12月1日0:00更新

さがみはら南区版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月25日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook