津久井消防署(前田清治署長)が今月4日、城山湖本沢ダム周辺で山火事を想定した大規模な消防訓練を実施した。今回は、空と陸からの消火訓練、情報収集の連携強化を図ることを目的に、陸上自衛隊、津久井警察署との初の合同訓練となった。
山火事が多く発生する2月から5月。その原因は、空気が乾燥し、山林内の水分が著しく低下するだけでなく、風が強い日が多いことが挙げられる。さらに、昨今の登山ブームで、登山者による火気の使用、たばこの火の不始末なども主な原因になっているという。
そうした中、津久井消防署では、陸上自衛隊と津久井警察署との合同訓練を今回初めて実施。訓練は、城山湖本沢ダム周辺で大規模な山火事が発生し、同署から自衛隊に要請を行ったと想定。城山湖の水を利用して空中からの散水、陸上では小型高圧送水装置等を活用した消火訓練を約2時間半にわたり行った。また、各機関の無線周波数がそれぞれ異なり、現場での通信、情報収集を行うことが困難なことから、指揮所に各機関の連絡係を設け、通信、情報収集活動にあたるなど連携の強化が図られた。
この訓練のポイントは、これまで使用したことのない「空中消火用水のう」を活用すること。この水のうは神奈川県から相模原市に貸与されており、津久井消防署が管理。容量は700リットルでヘリコプターから毎秒130〜170リットルと一度に大量の水を散水できる特長を持つ。一方で、規格が自衛隊用ヘリコプターのため、使用する場合、陸上自衛隊に災害派遣を要請しなければならない。派遣要請は、広範囲かつ大規模な災害でないと行えないこともあり、これまで一度も行ったことがなく、水のうも使用したことがないという。
同署管内では、平成8年に石砂山で約24haを焼失、消火時間も72時間に及ぶ山林火災が起きた他、最近では平成13年に南山で約4haを焼失する火事が発生。しかし、その際は他市からの応援のみだった。同署では、「署単独で自衛隊との合同訓練は初。今回こうして調整、連携を取れたことは、有事の際に活かせるのでは」と話している。
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