江戸神輿保存會・三代目闘将皇(とうしょうすめらぎ)の総代を務める 井乃上 浩一さん 中野在住 51歳
祭りで「魅せる」神輿を
○…「オリャ!オリャ!」と響き渡る威勢の良い掛け声。軽快な刻み足で神輿を担いで練り歩く。7月末に行われた恒例の中野夏まつりで、迫力ある江戸神輿を披露した。「子どもからお年寄りまで気持ちが昂る、かっこいい姿で魅せていきたい」。その熱い担ぎが、以前は招待されて担ぐだけの立場から、今ではしきりを任されるようになった。「年々ギャラリーが増え、参加してくれる人が多くなった。今後は今以上に地域を巻き込んで盛り上げていきたいですね」と微笑む。
○…神輿を担ぎ始めたのは、25年程前。仕事をしていた上野原で地元の会に誘われて参加したのがきっかけ。「地元だけでなく活動の場所を広げたい」と19年前に闘将皇を仲間と共に立ちあげた。今では38人が所属する。熱く威勢のいい神輿担ぎが話題になり、中野だけでなく、上野原や三多摩エリア、江戸神輿のお膝元の浅草三社祭など、年に30以上の祭りに招待されるようになった。多忙なスケジュールも「家族の理解があってこそ。感謝ですよ」と笑顔がこぼれる。
○…毎年、皇として社会福祉協議会へ寄付をする他、祭りの前後にゴミ拾いや掃除といった地域貢献活動にも注力する。東日本大震災の際にはトラックで支援物資をトラックで運んだ。人との繋がり。それがあって神輿や祭りができる。だからこそ、地域・社会への貢献活動を大事にする。「地域が良くなって、祭りが盛んになってほしい」
○…自営でギフト販売を手掛けるが「神輿は人生」と語るほど、生活の中心。その思いは中学生の娘さんにも引き継がれているようで一緒に担ぐこともあるという。全国で神輿の担ぎ手が減っている中で、神輿という”伝統文化”を若い世代へ継承していく自負もある。「笛や太鼓の音を聞くと誰もがワクワクするような魅力ある神輿を披露していきたい」。熱い仲間を引っ張る兄貴肌の総代が地域の祭りを盛り上げていく。
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