4月13日まで市民ギャラリーで展示会を開催している 新川 美湖さん 橋本在住 40歳
日本美術の可能性探る
○…高校の非常勤講師として美術を教える傍ら、麻紙に「岩絵具」と呼ばれる顔料で何気ない日常の風景を描く日本画家。毎年、日本最大の総合美術展である日展に出展。同展の日本画部とされている日春展では、最高賞の一つである日春賞、外務大臣賞を受賞した実績も持つ。4月13日まで相模原市民ギャラリーで作品の展示を行っている。
○…埼玉県出身。幼い頃から絵を描くのは好きだった。16歳の時、父親の仕事の関係でアメリカ・オハイオ州へ。現地の高校の選択授業で美術に親しむうちにその魅力にのめり込んだ。卒業後はアメリカに残るか迷った末、日本の大学に進学する道を選択。東京藝術大学に進学し、日本画を専攻した。昭和を代表する日本画家、東山魁夷の作品の色使いや構図、精神性に感動。日本画の世界に身を置くことを決意した。初めて触れる日本画特有の絵の具を使いこなすことに精一杯だった大学時代。日本の景色は日本流の方法で描くのが最も映えること、構図の奥に隠れている世界観を浮かびあがらせたいこと、数々の気づきを重ね、自らのスタイルを確立させた。今では、日展出展のため150号(横幅2m以上)の作品を毎年必ず手がける。
○…6歳の息子を持つ一児の母。夫は海外へ単身赴任がちで、実家も遠く、子育てには苦労した。「保育園と寝る前に読み聞かせる絵本をよく借りた橋本図書館には本当に感謝しています」。子育てや制作に追われながらも現在まで教員の仕事を辞めなかったのは「学校に行くと生徒から刺激をもらえる」からと笑顔。
○…海外にいた経験があるからこそ、日本美術の価値の高さを実感している。今後は「神社の障壁画を描いてみたい」。社殿の中を囲む襖を自身の絵で埋め尽くし、立体的に日本画の世界を表現したい。自らが日本画を描き続けることで、「古き良き日本美術が改めて見直され、魅力が再発見されることに繋がれば」と願う。
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