相模原市立大沢中学校(五十嵐広行校長)で12月11日、神奈川県が進める「がん教育」のモデル授業が実施された。これは県教育委員会が昨年度から取り組んでいる事業で、モデル授業をもとに意見交換を行い、教材資料や授業の進め方などを検討していくというもの。
県教育委員会では、学校における「がん教育」の取り組みを推進するために、医師、学校関係者、がん体験者等で構成する県がん教育協議会を組織し、モデル授業の実施や教材補助資料の作成を進めている。
生徒たちに正しい知識を普及させるとともに、教職員にも「がん教育」の必要性を理解してもらうことを目的に実施されるモデル授業。今年度は県内8つの中学校で11月から1月にかけて行われている。県からの呼びかけに対して、大沢中学校の保健体育科教諭・豊川隼可(たかとし)教諭が希望したため、相模原市からは同校が実践校に選ばれた。
「自分・家族のためにできることとは?」
当日は同校3年5組の生徒たち37人に向け、第4、5校時を使ってモデル授業を実施した。県がん教育協議会が作成した教材スライド資料「がんを知ろう!」を活用し、豊川教諭が指導。はじめにDVDなどを通じて、がん治療の現状や、がんを引き起こしてしまう生活習慣などを学んだ。真剣な眼差しで授業を受ける生徒たち。30歳でがんを発症したひとの体験談を聞いた感想を豊川教諭が生徒たちに問うと、多くの手があがった。その後は、4人1組のグループに分かれて、「がんにならないために自分自身ができることは何か」「家族のためにできることや伝えたいことは何か」を話し合い、それぞれをボードにまとめた。生徒からは「適度な運動とバランスのいい食事を心掛ける」や「家族にがん検診を勧める」「家庭でがんについて話し合う機会を設ける」などの考えがあがった。授業後には意見交換会が行われ、今回の授業の感想や反省などを、教職員や県職員らが出し合った。
五十嵐校長は「授業を受けた生徒たちがそれぞれ家族で話し合ったり、将来のために役立てるなど、さらなる広がりにつながれば嬉しい」と話した。
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