老人会や婦人会を訪問し、ボランティアでつるし雛の指導を行っている 落合 昌江さん 長竹在住 68歳
つるし飾りに愛情を込めて
○…桃の節句の雛壇の両側に、はぎれで作ったぬいぐるみをつるす、雛のつるし飾り(通称つるし雛)。江戸時代から続くこのつるし雛を、地域の老人会や婦人会などに出向き、ボランティアで指導している。ここ数年、つるし雛の認知度が増し、昨年は10回以上も指導の依頼があった。1回の指導で30人程度を一人で教え、30代から高齢の方まで幅広い女性が真剣に習いにくる。「自分の手で細かい作業を行うことは、色々な利点もあります。私の知識が役に立つのであれば、今後も指導を続けていきたいですね」
○…「元々不器用だった」と謙遜するが、結婚後20代の時に手芸を独学で習い始め、つるし雛を始めたのは50歳を過ぎてから。つるし雛が盛んな伊豆稲取温泉に約1年間かけて、月に2・3回習いに出向き、その知識を習得した。「飾りには各々意味があり、子の成長を願う親の深い愛情があるのですよ」と話す飾りはさるや座布団、柿や草履など百十個の種類があり、指導のかたわら一つ一つに込められた意味も説明している。「最近は桃だけでなく、端午の節句のつるしを作る人も増えているので、年が明けてから忙しい毎日ですね」とほほ笑む。
○…地元で手芸店を営み、店舗内で希望者には、つるし雛をはじめ、手芸や編み物なども指導する。「ここに来るのが楽しみな人も多く、遠方からも来る人もいるのですよ」。年々集まってくる人が増え、一人で指導しきれない部分もあり、長男のお嫁さんに指導を助けてもらっている。「彼女はつるし雛の技術も素晴らしく、私も年なので頼もしい後継者が出来たと思っています」と喜ぶ。
○…長男夫婦と同居し、高校3年と1年、中学2年の3人の孫は女の子で、つるし雛づくりも手伝ってくれる。「若い娘が日本の伝統文化に興味を持ってくれるのは嬉しいことです。今後も続けてくれたら嬉しいですね」と話してくれた。
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