やまゆり園 建替え決定 現地で「再生のシンボル」に
津久井やまゆり園で起きた元職員による殺傷事件を巡り、県が設置した再発防止対策・再生本部の会議が23日に開かれ、同園の再生を目的に、現地での全面的な建替えが正式に決定した。県では今後、同園再生のシンボルとなるような施設の建設に向け、予算の確保や基本構想の策定に取り組んでいく。
県は事件後、事件現場となった同園について入居者への適切な支援を継続するには全面的な建替えか、大規模な改修を行うかを検討していた。
一方で、今回の決定に先がけ、入居者の家族で構成される家族会と施設の管理者である「社会福祉法人かながわ共同会」は12日、県に対して現地での建替えを求める要望書を提出していた。
県は全面的な建替えを決めた理由として、家族会などからの要望を重視したことに加え、施設全体に血痕が付着するなど甚大な被害が及んでおり、改修だけでは適切な支援を継続することが困難なことを挙げた。加えて、全面的な建替えを行うことにより、同園再生のシンボルとなるような新しい建物にすることができるとし、「神奈川からこの理不尽な事件に屈しないという強いメッセージを発信できる」と、そのねらいも説明した。
県では今年度中に基本構想を策定し、2019年の着工をめざして関係者などとの調整を進めて行く予定。建替えにかかる総額費用は概算で60億円から80億円に上り、26日に現在会期中の議会に関連費1500万円を計上した補正予算案を提出した。建替え工事を行う間、現在の入居者は別の県立施設を活用することを想定しており、安定した暮らしが確保できるよう、必要な施策を行っていく考えだ。
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