さがみはら緑区版 掲載号:2017年5月18日号

問われる「共生」

県民巻き込み「共生」理解を

第4回 県共生社会推進課 柏崎克夫課長

取材に応じる柏崎課長
取材に応じる柏崎課長
 障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた入居者殺傷事件を考える連載企画の第4回。今回は「障害者と行政」をテーマに、事件を受け2017年度から県に新設された共生社会推進課の柏崎克夫課長に今後の取組み、思いを聞いた。

 事件を受けて県は、これまで障害福祉施策を担ってきた障害福祉課から津久井やまゆり園に関わる案件を切り離し、担当課として共生社会推進課を新設した。課はやまゆり園の再生について整理、検討する再生グループと、昨秋に策定した「ともに生きる社会かながわ憲章」の普及啓発に取り組む共生グループとに分類された。まずは、それぞれの役割を推進し、再生に向けた計画の早期作成と憲章になぞらえる共生社会の浸透を図り、発信していくことを取組みの柱に据える。課を新設したことについて柏崎課長は「事件以来、やまゆり園の対応として園の再生が大きな懸案になっていることに加えて、憲章を共有するための施策を強化する必要があったことから、課を新設して重点的に取り組むため」と説明する。

 共生グループとしての取組みは、10月21日、22日に横浜で開催するイベント「みんなあつまれ2017」だ。名称を巡っては、実行委員会の議論の中で学生など若い人たちも含めて、多くの人を交えて話し合うべきとする委員からの意見を受け、高校生など若い世代の意見を聞こうと高校生徒交流会での意見交換を実施。高校生から寄せられた20以上の名称を4つに絞り込み、特別支援学校高等部の生徒に意見を聞いた上で、実行委員会としてこの名称に決めた。内容は「ともに生きる社会かながわ憲章」の普及啓発。障害者福祉に関わっている人だけでなく、若者などの参加を促し、イベントの趣旨に賛同する、発信力のあるアーティストや障害者スポーツの体験などの企画を通じて障害者福祉について知ってもらうのがねらいだ。共生グループは年間を通じて憲章を普及させる考えで、市町村とも連携を図る。イベントは継続的に実施。憲章の普及により、県を挙げて共生社会の趣旨の理解を求めていく。追悼事業は夏頃の実施に向けて検討中だ。

 園の再生については昨年9月に建て替えが決まっていたが、1月に再検討が決定。現在、障害者施策審議会の部会で議論を行っている。審議会からの報告を受け、夏頃までに速やかに計画を策定していく。部会では利用者から丁寧な聞き取りを行う方針で、柏崎課長は「施設での生活については利用者の声を尊重し、利用者の支援に結びつく計画案にしたい」と話す。委員からは家族の声も反映させる必要があるとの意見もあるため、今後、推進課と部会が相談していく場面もありそうだ。

 柏崎課長は、やまゆり園を巡る山積した課題に触れた上で、「障害のある方、無い方、すべての方にともに生きる社会について理解し実践してもらえるよう、県民皆を巻き込みながら普及させ、プロセスを大事にして取組みを進めたい」と話し、意気込みを示した。

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