毎年春に、小山(おやま)公園ニュースポーツ広場(中央区小山)で行われているスケートボード(スケボー)コンテスト「OYAMA CUP」が、節目の10回目を迎えた。5月14日に行われた大会では、市内外から延べ100人近いスケーターが参加し、その技を競い合った。
大会当日は観客と出場者合わせておよそ400人が集まり、会場を熱気に包んだ。競うクラスはビギナー(初心者)からエキスパート(上級者)までの4つ。審査はプロスケーターや関連企業の社長ら3人が、技の難易度や完成度、プレースタイルなどを基に判断する。ポイントはシンプル。「かっこいいかどうか」だ。「うまい人が集う、刺激的な大会を目指してきた。今ではここで勝つことがステータスになっていると感じる」と主催した相模原スケートボード協会(SSA)代表の内田耕平さん(41)は話す。今回エキスパートクラスでは、市内在住の川満荘平さんが1位に輝いた。
主催者のSSAは、2005年に供用開始された同広場の設置に関わった若者らが中心となり誕生した任意団体。広場周辺の美化活動やボランティアでのスケボー教室などを行う中で「日本一の草大会を」という機運が高まり、2008年に同大会を初開催。以降、毎年一度行ってきた。「当初は選手と観客含めて150人くらいだったと思う」(内田さん)という大会規模も、回を重ねるうちに協賛企業・団体が増え、拡大。スケーター同士の繋がりも手伝い、市内だけでなく東海や九州地方といった遠方からも人が集まるようになった。「草大会だが、規模としてはAJSA(一般社団法人日本スケートボード協会。毎年多くのプロ・アマの大会を開催)の大会に劣らないものになっている」と内田さんは話す。
選手育つ土壌ある
2020年の東京オリンピック正式種目となり、注目が集まるスケボー。同広場には、全国でも数少ないというスケボー、インラインスケート、BMX(競技用自転車)などの練習コースがあり、幼少期からこの場所でプレーし現在、日本の強化選手として将来を期待されている若者も育っている。「五輪を目指す人は多いし、実際にそれを狙える子もいる。市には施設のさらなる充実に目を向けて欲しい」。五輪種目として注目されることでスケボーのすそ野が広がり、文化が底上げされることが内田さんの願いだ。一方では、競技として注目が集まるスケボーに対し、「元々はストリート・カルチャーだという、ルーツもちゃんと知ってもらいたい」と願いを込めた。
同大会の今後に関しては、「ゆくゆくはダンスコンテストや盆踊り、地元商店の屋台などを交えたおまつりにしていけたら」とその展望を語った。
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