城山地区で、地域住民の善意によるプルトップとエコキャップの回収事業が10年前後の長きにわたって継続的に行われ、ともに大きな成果を出している。関係者は「継続してこうした事業が行われているのは珍しいと聞きます。城山地区住民の間に浸透している善意による福祉の力」とその意義を話す。
両事業を行っているのは城山商工会。空き缶のプルトップ回収は、40歳以上の商業者有志で構成する「城山商工会経済同友会」(樋口一彦代表)が、「地元の社会福祉のために何か貢献したい」との思いから2005年9月に開始した。
地区内の公共施設や学校、民間企業などにプルトップ専用の回収ボックスを設置。地元の学校や団体も協力する他、現在ではこの活動を聞きつけ、趣旨に賛同して、中央区や八王子市の団体などからも数多く持ち込まれているという。こうした活動を経て、これまでの約12年間で計約5800kgのプルトップを回収。これらを換金し、城山地区社会福祉協議会などに計18台の車椅子を寄贈し、毎年秋のもみじまつりで贈呈式を行っている。樋口代表は「12年以上の長きにわたり続けられたのは多くの皆様の協力のおかげです。継続は力なので、今後も活動を続けていきたい」と話す。
エコキャップで1万6千人分のワクチンを
一方、エコキャップ回収を行うのは「城山商工会青年部」(松本夏樹部長)。「自然豊かな城山地区に暮らす商工会青年部として、多くの地域住民が参加できて、自然に優しいエコな活動が何かできないか」と同部が創立30周年記念事業として2008年7月から実施する取り組みだ。回収は地区内の自治会館や公共施設、スーパーや民間の会社、小中高校などに専用のボックスを設置。地域内外の学校や団体からの寄付として持ち込まれるケースも多いという。
約9年間の回収数は累計約1280万個。これらを産業廃棄物業者に売却し、その利益を「世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)」へ全額寄付。世界中の病気で困っている子どもたちのために使われてきた。ポリオ(小児麻痺)ワクチンは1人分がキャップ約800個分・約20円となり、これまでに約1万6000人分を寄付した計算だ。
松本部長は「皆様の善意の協力のおかげで、ここまで長く活動を続けられ、大きな成果を残すことができました。今後も活動を続け、ワクチン接種できる子どもたちを増やしていきたい」と話した。
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