今年4月1日時点の調査で、市内特別養護老人ホーム(特養)入居待機者数が昨年比で21人下回る211人となり、法改正された2015年から連続で減少を続けていることがわかった。市の福祉施設の整備計画が一定の成果を見せているが、潜在的な待機者の可能性も指摘されていることから施設整備などのハード面だけでなく、介護予防への取組みといったソフト面の強化も今後の課題だ。
特養の入所基準をめぐっては、介護保険法の改正に伴い15年4月以降、基本的に要介護3以上に限定。県内各市で待機者の数は減少しているのが現状だ。
市内でも同様に減少が進んでいるが、今回の調査結果は施設の整備促進も影響。今春新たに140床の施設が増設されたことから、待機者数の減少を後押しする形となった。入居率は93%となり、担当する市高齢政策課はこの状況について、211人の待機者に対し、およそ200床を空きの状態にしているため、数字的には入居に対する一定の整備量は確保できているとの見方を示す。今年度は3カ年とされる高齢者福祉計画の最終年となっていることから、市は今回発表の待機者数のほか、各施設の現場の声を基に施設整備(床数)を含む次期計画案に生かしていく考えだ。
一方で、潜在的な待機者を危惧する声もある。市内の特養の関係者によると、特養は料金の条件が良く入居しやすい面、「満床でないか」と心配し、希望していても敬遠するなど数字には表れない待機者がいるという。加えて、ショートステイなどの短期入所を利用する要介護1・2の「予備軍」が3以上になる際に待機者が増える可能性も指摘。「その場合、施設を増やすにもスタッフ人員の確保も必要になり課題だ」と話す。
これを受けて同課の担当者は「被介護者に応じた入所や施設整備をしながら、重度化しないように介護予防を提供していきたい」とし、今後の方向性を示した。
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