渕野辺総合病院の病院長で、このほど相模原市病院協会の会長に就任した 土屋 敦さん 町田市在住 62歳
病病連携で地域医療推進
○…「2025年問題」という言葉も生まれるほど、未だかつてない超高齢化社会を迎える日本。国の地域医療構想が策定され、地域での病床の機能分化や連携などが求められる中、病院がその推進力の一つになるべきと考える。高齢者増に伴い変化する医療環境。「地域のニーズは大きく変わってきている。それにどう応えていくか。病院同士が連携して地域医療を推進していくべき」。会長として心血を注ぐ構えだ。
〇…約60年前、淵野辺の閑散とした桑畑の地に、父親が木造2階建ての有床診療所を建設。これが現在の渕野辺総合病院の前身となる。自身も医学の道に進むと覚悟を決め、北里大学医学部に進学。卒業後は同大に勤めながら横浜や都内の病院に出向、その後渕野辺総合病院の副院長に就任すると、父親が築いた基盤を踏襲しつつ時代に即した施策を進めてきた。現在は、相模原と横浜で保健・医療・福祉を展開する「医療法人社団相和会」の理事長兼、渕野辺総合病院の病院長を務めている。
〇…医療法人理事長としての管理業務、協会会長としての推進活動など多忙な日々を送る中、「地域医療ファースト」を掲げ、今も自ら在宅医療現場で診療を行う。「現場を診ないで施策云々は言えないので」。そんな中での束の間の息抜きは、夫人との山歩き。山梨や長野など遠方にも出向く。自然を感じること、外で新鮮な空気を吸うこと、何より、夫人と一つの時間を共有することが好きだ。
〇…2040年まで高齢化が進むと言われる中、医療人材の確保・育成は喫緊の課題。診療科が多くなり専門性が高くなった一方、幅広い診療能力を備えた総合診療医の育成や、「二次救急医療」の充実した体制づくりにも尽力すべきと意を決する。市民病院が無い中で各病院や行政、関連団体が協力体制を取り、「地域で穴のない体制を築いていきたい」。長としてその舵取りを担っていく。
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