悪性リンパ腫に侵され闘病生活を送っている市内在住の元プロレスラー・垣原賢人(まさひと)さん(45)が8月14日、後楽園ホール(東京都文京区)で復帰のリングに上がる。垣原さんは「同じ病気で苦しんでいる人たちに夢や希望を持ってもらえたら」と心中を語る。
垣原さんは愛媛県新居浜市出身。18歳の時にプロレス団体「UWF」でデビューした。現役時代は高田延彦選手や長州力選手、ジャイアント馬場選手らと熱戦を繰り広げ、新日本プロレス時代にはジュニアヘビー級の王者にも輝いた。2006年に、首の怪我が原因で引退を表明した。
幼少期から無類の昆虫好きで、特にクワガタに熱中。現役時代に沖縄からインドネシア、アマゾンといった熱帯地まで、珍種のクワガタを探して回ったほど。それが高じて、レスラー引退後は覆面の昆虫キャラクター「ミヤマ☆仮面」として、昆虫体操やクワレス(クワガタレスリング)などといったユニークな企画を生み出し、虫を通じて全国各地で子どもたちに命や自然の大切さを伝える活動を続けてきた。相模川ふれあい科学館のイベントやさがみはら環境まつりなど、市内でも登場する機会は多い。
そんな垣原さんの身体に異変が起こったのは14年の年末。「両脇のしこり」が悪性リンパ種(血液のがん)と判明し、なおかつステージ4という状況。抗がん剤治療と食事制限でがんの進行を抑える日々が始まった。ミヤマ仮面は活動を休止し、当時中学生だった息子が「クワガタ忍者」としてイベントに参加して、垣原さんの代役を務めた。
プロレスラー仲間たちも垣原さんを応援。元プロレスラー・山崎一夫氏や現役選手の高山善廣氏らを中心に結成された「カッキー応援隊」主催で15年、垣原さん応援プロレス大会「カッキーエイド」が開催された。
そんな周囲の支えもあり、垣原さんは再びリングに復帰して、同じようにがんに苦しむ人たちの希望になることを決意し、特訓を開始。治療との兼ね合いから思い通りのトレーニングを行うのが難しい中で、その肉体を研ぎ澄ませていった。
そしてこのたび、再びカッキー応援隊の主催により復帰戦「カッキーライド」が行われる運びに。対戦相手は「関節技の鬼」として知られる藤原喜明さん。「がむしゃらに敵(病気と藤原氏)にぶつかっていく姿を見て、守りに入らず頑張ろうと思ってもらえたら」と垣原さん。「周囲への感謝の気持ちを込め、元気な姿をお見せしたい。それが自分の使命と思っている」
復帰戦は後楽園ホールで8月14日(月)、午後6時30分開始。入場券はチケットぴあなどで購入可。大会の問合せは【電話】03・5212・8866((株)プッシュアップ/担当・藤本さん)へ。
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