M.Tボクシングジム(西橋本)に所属する中谷潤人さん(19)=大島在住=が、8月23日に都内で行われた「日本ユース初代王座決定トーナメント」(株式会社DANGAN主催)フライ級決勝で勝利し、24歳未満の日本王座に輝いた。中谷さんは、昨年末に全日本の新人王も獲得しており、今後の活躍が注目される。
ボクシングの若手選手は、新人王戦などを経て日本ランキングに入り、日本タイトル(チャンピオン)を目指していく。しかし、その長い道のりの中で、プロボクサーを辞めていってしまう人も多い。この大会は、その間に目標となるタイトルを増設しようと、日本プロボクシング協会が今年初めて導入したもの。
出場資格は24歳未満のA級ボクサーで、フライ級からスーパーライト級までの8階級で実施。フライ級は5月に予選、8月に決勝が行われた。
5月の予選で中谷さんは、マナベボクシングジム所属の工藤優雅選手と対戦。ダウンの裁定から劣勢にまわる場面もあったもののその後は反撃に転じ、2対0の判定で勝利した。
迎えた8月の決勝戦。相手は2014全日本新人王のユーリ阿久井政悟選手(倉敷守安ボクシングジム)。全日本新人王覇者同士の対決とあって注目が集まる一戦は、中谷さんの形勢不利との前評判。しかし、中谷さんはこの勝負に向けてトレーニングで筋力をつけ、7月には、恩師で、世界王者も育てた名トレーナー、ルディ・エルナンデス氏のもと、米国合宿を敢行。「中間距離だと相手のパンチが生きるので、近づくか離れるか、対峙して見極める」など、しっかりと対策を練って決勝に挑んだ。
試合では対策が功を奏して間合いを掴み、中盤からは自ら接近戦へ。6回、右アッパーをきっかけにパンチをまとめて浴びせ、2分1秒TKO勝ち。見事、初代王座に輝き、同時に大会を通じて最も活躍した選手としてMVPも獲得した。「実績がある強敵だったので気合が入った。ジムの方々が良い練習環境を作ってくれたので、恩返しをしたかった。結果で応えられてよかった」と中谷さんは大会を振り返った。
中学2、3年の時に15歳以下の全国大会で連覇を果たし、昨年は全日本新人王を制したサウスポー。世代別では常にトップを保持する。中谷さんは「今回、王座を取れたのはうれしいけれど、世界へ向けてというとまだまだ通過点。上には上がいる」と先を見据え、「WBO(世界ボクシング機構)のアジア太平洋王座や、(現在4位の)OPBF(東洋太平洋)の王座を狙っていきたい。23、4歳くらいには世界を取りたい」と今後の抱負を力強く語った。
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