NPО法人ふじの里山くらぶ(永井基朗理事長)は11月19日、「気候変動の藤野学」を藤野商工会館で開催した。温暖化が藤野にとって、どのような影響があるかを考えるシンポジウム。「災害・鳥獣・健康被害などさまざまな分野で影響があるのかがわかり、良い機会になった」との声が聞かれた。
頻発する大規模な集中豪雨や台風など温暖化の影響の一つと考えられる異常気象が至る所で現れている。そうした中、里山の魅力あふれる藤野の自然や文化、伝統を活かして地域活性化を図ろうと活動する市民団体「ふじの里山くらぶ」(会員約60人、15団体)は、この温暖化が藤野地域にとってどのような影響があるのかを検証し、対応策を考え、今後のまちづくりに活かしていくため、一昨年度から「気候変動の藤野学」プロジェクトをスタートさせている。
プロジェクトでは、気候変動の影響への事前調査やアンケート、4回の会議を重ね、「集中豪雨による土砂流、鉄砲水、沢の崩壊」「鳥獣被害による耕作放棄等」「猛暑による健康維持の難しさ」の3項目に絞り込み、対策していくことを決定。今回のシンポジウムは、こうした取組みを深めるため、専門家の意見聴取を目的に行われたものだ。
シンポジウムで将来を考察
19日には各方面の代表者35人が参加する中、気象予報士の岩谷忠幸氏が基調講演を実施。岩谷氏は「50年年後には43度の記録が予想されるなど、藤野も温暖化が進んでいく。このため、栽培できる特産品も変わってくると思うので、今から検討しておいてほしい」などと説明していた。
その後、法政大学、市関係者、農業従事者、教諭、ふじの里山くらぶ理事などが参加したディスカッションが行われ、それぞれの立場で活発な議論を展開した。ふじの里山くらぶでは「今後は、影響調査をさらに進め、住民の関心の高い災害被害、鳥獣被害、熱中症といった3つの優先課題に対応した藤野地域のマップを作成したい」と話した。
さがみはら緑区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|