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さがみはら緑区版 公開:2017年12月14日 エリアトップへ

12月15日に杜のホールはしもとで行われるチャリティコンサートに出演するオペラ歌手の 倉原 佳子(よしこ)さん 東橋本在住 57歳

公開:2017年12月14日

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湧き出る愛を歌で届ける

 ○…まるで音の波が押し寄せてくるような壮大なカンツォーネで迎えてくれた。取材に答えるその声は、聴く人に生命を吹き込むようにエネルギーに満ち溢れている。コンサートで朗読する絵本のストーリーは実際にあった出来事。「あちらこちらで諍いが起き、不安な世の中。それを包み込むことができるのは母の強さ、優しさ。それぞれの子育てを思い浮かべながら聴いて欲しい」と思いを語る。

 ○…大分県出身。産声は「あひるのような低音」だったそう。その劣等感から幼少期は大好きな歌も人前では歌わず。だが高校時代、偶然歌を聞いた音楽教諭から「あなたは歌うために生まれてきた」と才能を見出されたのを機に音楽の道が開け、地元の高校から武蔵野音大短大部へ。そして東京藝大音楽学部声楽科に進学し卒業後に渡欧、拠点をオペラの本場イタリアに。ボルミオで行われたアルペンスキーW杯開会式でイタリア国歌を歌うなど華々しい演奏活動を展開した。

 ○…華麗なキャリアを築く一方、結婚生活では苦労を重ねた。一男一女を授かるも、現在は子どもと共に暮らすことのできない日々が続く。2年前には乳がんを患い手術もした。絶望に支配される時期もありながら、異国の地に暮らす最愛のわが子に届けるように歌い続けてきた。「いろいろな経験をしてきた自分だからこそ歌える歌がある」。中でも「湧き出る愛情を伝えられたら」と話す『アベマリア』には思いが強い。

 ○…海外や日本で年間150本の公演を行う「旅がらす」のような日々だったが、縁あって10月に相模原に移住。現在は東橋本を拠点に、国内外のステージでその歌声を披露している。来年1月には東京・サントリーホールで行われるコンサートでソリストを務める予定。「相模原はこれからの発展が楽しみな町。ここを拠点にして各地で歌っていきたい。歌うことで、少しでも町の役に立てれば」。歌を通して愛を運び続ける。

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