死者1、247名、行方不明者1、209名、避難者16、382名、家屋被害3600棟― 人口約2万3千人の岩手県陸前高田市は甚大な津波被害を受け、その傷跡はまだそのまま残っている。
町田市で青年期を過ごした同市の戸羽太市長を応援しようと町田市内の小中高の同級生らで結成した「町田鶴の羽の会」(上野静栄会長)は16日、支援物資を陸前高田市に届けた。今回は市内団体から提供されたオムツや女性用下着、くつなど段ボール20箱以上。支援物資センター以外に保育園、学童所などにオモチャや文房具を届け、「子供たちが本当に喜んでくれた。今後も何が必要か、何ができるかを考えて支援していきたい」と同会。
戸羽市長は「昔の仲間が気にかけてくれ本当にうれしい。少しずつ復興に向けて動いている。市長としては国から支援策などを聞いて道筋をつけていきたい。町田の皆さんには、何度も繰り返しますが、末永い支援をお願いしたい。一時的な盛り上がりで終わってしまうのが怖い」と話していた。
「友だちがほしい」
避難所になっている陸前高田市立長部小では、子どもたちが凧揚げに熱中していた。(株)鉄道会館の職員らがボランティアとして、凧やフリスビーなど遊び道具を届け、一緒に校庭を走り回っていた(=右下写真)。
「凧揚げは初めて。いっぱい走って楽しかった。家は流されちゃったけど、早く家に帰りたい」と小学4年生男児。同避難所では食料、お菓子などは十分に行き届いている。「足りないものは」の問いに「友だち」と答えた。
「復興の湯」完成 1日300人も
自社内にお風呂を作り、無料で開放していた共和建設(高田町)で、新たなお風呂が完成した。その名も「復興の湯」。市・県外から設備を調達してやっと完成。利用者も口コミで広がり、今では1日300人ほどが利用している。「お子さんでも安全なように温度調整付のシャワーをやっと見つけたんだ」と嬉しそうに同社の高萩善夫社長は話す。高萩社長の自宅も津波で流され、やっとの思いで掘り出した鯉のぼりの支柱がお風呂の前に立ててある。お孫さんのために買った鯉のぼりは見つからなかったが、関西地方から贈られた鯉のぼりが元気よく泳いでいた。「あの光景や昔のことを思い出すと涙がでちゃうよ」
「自分たちでやろうぜ」
「被災者たちも食べるために何かしなきゃ」。高萩社長は語気を強める。「避難所にいる人たちの中には三食食べさせてもらい、あとは何もしていない。それじゃダメだ。自分たちで復興するために働かなきゃ。自分たちでガレキを拾って復興しなきゃ。非難されることは分かっているが、どうしても言いたかった。自分たちがやろうよ」
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