鶴見川で鯉のぼりを掲げている鶴見川育成会の会長を務める 石川末治さん 小野路在住 60歳
鯉のぼりにメッセージ込め
○…「今回は自粛しようかなと思ったよ」。今年で8回目を迎える「鶴見川・泳げ鯉のぼり」。会員の中には親類や友人が被災したこともあり計画準備中は「それどころじゃない」と言われたこともあった。「でも、今はやって良かった。元気を贈ることぐらいしかできないからね」。のぼり旗には『負けるな日本のお母さん』とメッセージを込めた。「テレビから小さい子どもを持つお母さんの大変さが伝わってきた。みんなで応援したい気持ちなんだよ」
○…生まれも育ちも町田。代々続く大工さんの家系で、「父も祖父も、本家もずっと大工」。小さいことから「大工になるのが当たり前だった」と振り返る。兄弟3人とも大工となった。「昔はきれいな川でよく遊んだ」。鯉のぼりの舞台である鶴見川を見ながらいう。「水車があって、フナもヤマベ(オイカワの別名)もいて、友だちみんなで遊んだ。近所の兄ちゃんが連れてきてくれて、楽しかったね」
○…15年ほど前から会を結成。当時は5、6人で鶴見川の清掃、魚の放流などを実施していた。徐々に会員が集まりだし、「子どもが楽しめるように鯉のぼりを揚げよう」と8年前から開始した。今では会員は42人にもなり、「地域の輪が広がり、川や自然を大事にしてくれる人が集まってくれた。鶴見川をもっとキレイで魚がいっぱいいる川にしたいね」。毎年、草刈りやゴミ拾いなどを定期的に行い、イベント期間中には舟を出して、子どもたちが川と親しめる様にしている。
○…趣味は釣り。渓流も海も楽しんできた。「30年前は2週間ぐらい小笠原に行って、ずっと釣りをしていたよ。1m以上の大物も何匹も釣ってね」。「子どもたちに、『川で魚と遊ぶ』、そんな楽しい思いをしてもらいたくてね」と会の目的を話す。「若い人がもっと参加できる会にしたいね。川の素晴らしさを伝えていきたいんだ」。地元と被災地、大人と子どもをつなぐ鯉のぼりが元気よく泳ぐ。
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