5/29に開催する木曽オールスターズ復興チャリティーライブに出演する尺八奏者 原 曽風山(そふうざん)さん (本名 原 富夫) 木曽西在住 66歳
いつまでも仲間たちと一緒に
○…「声を掛けてくれてうれしかった」。伝統ある木曽地区で文化の伝承と新たな文化の取り入れ、そして多くの人の参加と交流を目的に設立した「木曽オールスターズ」のイベント東日本大震災復興チャリティーライブに出演する。生まれも育ちの木曽。声を掛けてくれたのは小中学校の仲間たち。全国各地にとどまらずスペインやフランスなどでも演奏してきたが、地元では初舞台。「恥ずかしかったからね」と笑う。
○…尺八に目覚めたのは小学4年生の時。三橋美智也のレコードから聴こえた尺八の音色だった。「ギターと尺八が最高だったんだよ。そしておじさんから尺八は一本一本手作りだと聞いて、ドキッとしたんだ」。それから竹藪に行っては竹を採り自己流で尺八を作った。「月に10本ずつくらい作り続けたかな。もちろんいい音はしなかったけど」
○…中学、高校と続いた尺八作りも大学受験もあり少し遠のいたが、二十歳ごろから製管師になるため師匠につき本格的に習い始めた。調律のために作者自身も尺八を演奏しなければならないため、昼間は仕事、夜は尺八作りと演奏の練習の繰り返し。「3つの顔を持って生活していたよ。うっかりするといつも朝でね」と振り返る。35歳ぐらいからは演奏家としての顔を持ち、一人で四人の顔を持った。0・02㎜の違いで音が変わってしまう尺八。自分流に研究を重ねるがやればやるほど堂々巡りになってしまうという。「”これだっ”と言える尺八をいつかは作りたいね」。尺八演奏は教えているが、尺八作りも教えていきたいという。
○…小中学校のとき仲が良かった友人たちも進学や就職で疎遠になっていた。消防団や地元神輿の復活など活動してきたが、忙しさのあまりそれも次第に離れた。「30年ぶりくらいかな。昔の仲間たちとじっくり話をしたのは。今までお世話になってきたのだから、恩返ししないとね」と中学生に戻った笑顔で話す。
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