溝口重行さん(81)・千代子さん(78)夫婦(相原町在住)が約10年かけて江戸五街道(東海道・中仙道・奥州街道・日光街道・甲州街道)合計2千Kmを完歩した。
きっかけは夫婦の日課、朝の”お散歩”だった。「散歩をすることで教科書や文献に記されていない歴史が分かる。地域ごとに異なった伝説や物語、昔からの生活の名残や代々繋がる絆を調べたくなった」。歴史探索が趣味の重行さんは歩く距離を伸ばした。「私は黙ってついていくだけ」と千代子さんと一緒に2000年1月22日、東海道の基点である日本橋を出発。「今日は日本橋から川崎、今日は川崎から横浜」とその日に歩く距離を決め、行き帰りは電車で移動。次第に距離が遠くなると泊まりがけで散歩した。約1年間かけて終点の京都三条大橋まで歩き東海道を制覇した。
重行さんは東海道だけでは物足りないと、その後、中仙道、奥州街道、日光街道、甲州街道と合計2千Kmの道のりを歩き、2009年12月17日、甲州街道の終点の下諏訪宿跡に到着。江戸五街道を夫婦で歩ききった。
記憶に残っている場所は箱根。『女転がし坂』『猿すべり坂』など、辛く険しい山道は忘れられない。「でも一番辛かったのは東京の都心部。トイレがなかったから」と重行さん。コンビニに何度も助けられたという。「歴史を探しながら現代の便利さや不便さを感じた。不思議な感覚だった」。
江戸五街道を完歩後、街道・宿場道を記録した『夫婦道中記』を6冊にまとめ、自費出版した。「お墓に入れるため」と口を揃える。
現在は日本各地の鉄道めぐりをしている。「どこまでもついていきます」と千代子さんは笑顔で話した。
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