町田市は市内65ヵ所で空間放射線量を1度だけ測定することを21日、発表した。市はこれまで毎週1回、市内7小学校で空間放射線量を測定してきたが、低い値で推移してきたことから7月から行ってきた継続測定を9月末で終了している。今回の測定に対して、測定場所や内容、実施回数に市民から疑問の声も上がっている。
新たに行う広域の空間放射線量の測定は、市内の市立小学校全42校と市立中学校5校、公園など18ヵ所の65ヵ所。10月24日から10日間程度で測定する。シンチレーション式サーベイメーターで地上1mおよび5cmで3回繰り返し測定した平均値を市広報紙などで公表する。測定は継続ではなく1度のみ。ただし高い値を測定した場合は、継続するかを検討するという。
市は継続測定を3ヵ月間で終了したことについて、1時間当たり0・02〜0・09マイクロシーベルトと低い値で安定的に推移していることを理由に上げている。今回の広域測定は市民に住居近くの細かい数値の提供が目的。
しかし、測定は他の環境の影響を受けづらい校庭の真ん中などで、水たまりや吹き溜まりなど数値が高いと言われている場所では測定しない。
現在、市民の不安は局地的に放射線量が高いと言われる場所(ホットスポット)の有無で、子どもが放射能の影響を受けやすい校内や公園、通学路の繁みや水たまりなどの測定を求めていて、今回の市が行う測定には、場所や内容に市民から疑問の声が上がっている。
取材を通して
町田市は、市民の生活圏を広域に測定するために、今回65ヵ所で空間放射線量を測定するという。また市議会が全会一致で要望している土壌の検査も、「土壌の数値は空間放射線量に比例する」という理由から、今回の広域測定で対応するという。
町田市を取り巻く都内や神奈川・横浜市では、ホットスポットの発見や放射性物質ストロンチウムの検出など、ある一定の場所での放射線量が問題となっている。また、市内でも剪定枝資源化センターで基準値以上の数値を測定し、ほかに市民の調査によって高い放射能数値が報告されている。
幼い子どもを持つ保護者が抱えている不安は、この測定で解消するのだろうか。
市民からはホットスポットの不安が増しているという声をよく聞く。その不安から数値が高いと思われる場所を個人・団体が測定し公表している。市民だけでなく、子どもを預かる公立学校からも、校庭の真ん中ではなく、数値が高いと思われる場所を測って欲しいという声も聞かれる。
町田市は、そう言った声に応え、市民が知りたがっている情報を提供してほしい。
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