瑞宝単光章を受章した 菊池 和博さん (株)松田設備(野津田町)社員 59歳
いつまでも現場で輝く
○…「章が大きすぎてどれだけすごいのか分からないよ」。30年以上にわたり配管工一筋に水道設置などに携わってきた。「かけっこの一等賞なら分かるんだけどね。家族もびっくりだよ」とニッコリと笑う。皇居で皇太子陛下を前に、そして大きな額にも驚いた。「俺がもらっていいのかな」と正直に話す。
○…北海道雨竜郡沼田町生まれ。札幌まで車で4、5時間の場所で、「冬はスキーしかすることがなかったよ」。小さい頃は身体が弱くよく寝込んでいたという。大きくなるにつれ腕白になり、「子どもがすることは、全てしたかな」と笑う。中学卒業後、寿司職人の修行のために札幌へ。「東京へのあこがれがあったのかな。東京に遊びに行ったらそのまま居ついてしまった」。28歳の時に松田設備に入社した。
○…「うちで働かないか」と現在勤める松田設備社長から言葉をもらう。「救いの神です。その言葉がなかったら今の自分はいない。充実して働ける場をもらった」と振り返る。デスクワークよりも現場を大事にする。忙しさの中に充実感を見出し、現場責任者として、一つひとつの仕事を安全にそして完璧にこなしていく。「水が出て当たり前の仕事だからね。でも家が完成しただけでは生活できないでしょ。水道が流れて初めて生活が始まる。血液みたいなものかな」
○…休みの日は奥さんと出かけることが多い。「あっちプラプラ、こっちプラプラみたいな感じ。買い物行ったりカラオケしたり」。最近はちょっとご無沙汰だそうだが、毎週のカラオケで気分転換。十八番は吉幾三さんの演歌。「体がついていけるまで現場にいたい。やれるところまでやりたいね」。仕事を取り巻く技術は日進月歩で、「今でも勉強ですよ。新しい技術が開発されているからね。勉強しないとすぐに分からなくなってしまう」。「70歳まで仕事して少しでも会社に恩返しできれば」
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