町田消防署長に就任した 原 修さん 市内在住 56歳
減災・防災に力尽くす
○…「東日本大震災を決して忘れてはならない。しかし参考にするとなるとピントがずれてしまう」。大切なのは地域に合わせた教訓や心構え。「首都直下地震の対策を考えるのが重要」。2008年、中国四川省沖地震派遣で5階建ての学校へ救助に向かったときのことが印象に残る。1、2階が座屈し、外から見ると3階建てのようになっていたが、潰れた1階の教室に入ると机の下には人が入る空間がしっかりとあった。「机の下にもぐり、身動きをとらなかった方が生存した事実を知って欲しい」。阪神大震災、スマトラ島沖地震など、様々な地域で派遣救助を行った現場の経験を活かしたいと意気込む。
○…日本大学の旧農獣医学部を卒業。学生時代は食品工学やバイオテクノロジーを学びながらアマチュア無線に熱中した。「当時は根暗でおたく。体育会系とはかけ離れていた」と微笑む。獣医になろうと考えていたが、いとこの影響もあり東京消防庁へ。「180度異なる世界。消防学校時代、教官の”何も考えるな”という厳しい言葉と顔を今も覚えている」。1978年、入庁当時の深川消防署では現場に立つ不安を感じたというが「今はもう経験できない。寂しいな」と懐かしむ。
○…休日は自宅で撮り溜めたTVを一日かけてみる。「最近のTVドラマはリアルで面白い」。2人の娘さんと一緒に見ることも。スマートフォンもお手の物で「AKBのメンバーも沢山知っている。大好きな家族皆でパフェを食べに行くこともあるよ。若い世代と肩を並べたいから」とにっこり。
○…減災をするためには家具の転倒防止や食料の備蓄だけでなく、自助共助の心が大切という。「消防署や消防団だけでは行き届かない部分を、地域住民の方で助け合って頂きたい。一般の方でも消化や救助ができます」。前任である尾久消防署よりも管内面積や所有管轄数が数十倍に増えたが、「誠実に力を尽くすだけ」と熱意を燃やす。
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