芹が谷ひだまり吊るし愛好会の代表者 松本 重子さん 南大谷在住 64歳
歓声励みに10年
○…「わあ、かわいい」「まあ、きれい」。桃の節句までの時期は、芹が谷ひだまり荘への訪問者が一段と増える時期。豪華な御殿飾りや昭和初期に作られたという雛人形の前に、赤やピンク、黄色など色鮮やかな手作りの吊るし飾りが、40本近く、所狭しと垂れ下がる。雛人形に勝るとも劣らぬ存在感だ。「記帳して頂いた感想を読むのが、何より励みになっています」
○…伊豆や福岡で知られるつるし飾りは元々、町田にはなかった風習だ。10年ほど前、ひだまり荘の近所に住んでいた、縫い物の得意なおばあさんが作っていた吊るし飾りを同施設に飾っていたところ、「私も作りたいので教えてほしい」という15人ほどが集まり、習いながら制作を始めたのが最初だという。年を追うごとに人数は増え、現在では6つのサークルが合同で制作、総勢60人に。飾り終わったものは、「他の人を楽しませることができるなら」と、知人にあげたり、幼稚園や施設に寄贈したものもあるという。
○…「毎年作る桃や椿でも、八重にしたり、花芯の形を変化させたり、違うやり方を採り入れているんですよ。ハギレと作りたいものが一致する時は幸せですね」と目を輝かせる。知人に誘われ、第一回目の展示から参加し、今年、代表を引き受けた。以前は、袋物作りを6年ほど習っていた。「元々は引っ込み事案」だが、古布が好きなあまり、店で居合わせた人に布の使い道を尋ねたところ、作品を見せられ、その場で「弟子入りを決めました」と笑う。現在も、巾着袋やトートバッグなど1年で40作品ほど仕上げるという。
○…「見る人にあっと言わせたいという思いだけで続いた」という10年。家事などと両立しながら40代から70代が、月2回ほど集い、1年がかりで制作する。現在は、教え手が不足気味。「今後も活動を続けたい。それには、新会員の受け入れなど、体制づくりが必要でしょうね」
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