着ぐるみ「つるちゃん」誕生 鶴川商店会がゆるキャラ作製
鶴川商店会のイメージキャラクター「つるちゃん」が着ぐるみとなって鶴川の地に舞い降りた――。
つるちゃんは2007年、第1回となる同商店会が主催する「鶴川フェスタ」のキャラクターとして登場。当時の会長である神蔵浩志さんが「鶴川をアピールできるものを」と、息子さんの友人のデザイナーが考案したもの。
大きな目と黄色いくちばし、赤い頭に「川」をイメージした3本のラインが特徴のつるちゃんは、商店会や地域を紹介する「つるちゃん新聞」などで活躍してきた。
でも…。つるちゃんは平面――。もっともっと触れ合えることができれば、もっともっと活躍できるはず。紙の世界から抜け出し、みんなと手を取り合える存在になって欲しいと、『つるちゃん3D計画』が5年ほど前に浮上した。
それから何度も会合を重ね、試行錯誤を繰り返しながら、多くの人の協力の下、2014年春、3Dのつるちゃんが誕生した。
着ぐるみ作りに苦戦
つるちゃん3D計画が始まった。しかし、つるちゃんのデザインは一方向だけ。「反対側はどうなっている?」、「3Dにしたら、頭が大きすぎない?」など疑問や問題点が多々。しかも製作会社との打ち合わせには色々な方向からの平面図も必要となった。
「俺がつるちゃんのフィギュアを作るよ」と神蔵浩志さんが名乗り出た。プラモデルやジオラマ作りなどが上手な神蔵さんは、平面だったつるちゃんを粘土を使い3Dつるちゃんにしようと作業を進めた。大きな頭はそのまま粘土で作ると足の強度が足りないため、中に芯を別に作り、その上に薄く粘土を張り、そして骨格にはアルミパイプを使って強度を確保した。描いていなかった反対側の様子は想像を膨らませながら、デザインしていった。1カ月ほどかかり、精密なつるちゃんのフィギュアが完成した。「イメージ通りできたと思う。これから、つるちゃんがどのように進化するかとても楽しみ」と話す。そしてフィギュアになったつるちゃんは、着ぐるみ担当者にわたり、本格的に着ぐるみ製作が始まった。
ついに完成ゆるキャラ
着ぐるみの製作には地元で教室などを開いているデザイナー渋谷ちづるさんが担当となった。製作会社との窓口になり、目の大きさや位置、色合い、素材など様ざまな問題点を原作者やみんなの意見を聞きながら、一つずつクリアしていき、着ぐるみつるちゃんへと歩を進めた。
一番問題だったのは、つるちゃんの頭の大きさ。大きすぎても、小さすぎても、かわいくなくなってしまう。また、実際に手で触れることができるので、素材選びも悩ませた。
3カ月ほどかかり、ついに『着ぐるみつるちゃん』が完成した。「作っていくたびに親心がわいてきた。初めての経験だったので、よく完成できたと思う。鶴川と言えば『つるちゃん』とみんなが言ってくれるようになってくれれば」と感慨深く振り返る。
「楽しい街」をコンセプトに誕生したつるちゃんは、5月1日から和光大学ポプリホール鶴川で劇団マチダックスが上演する「Ob-La-Di、Ob-La、Da」で初披露される(詳しくは関連記事「マチダックス公演」で)。また8月に開催する盆踊り大会にも登場する。
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