町田市民文学館ことばらんどでは現在、「尾辻克彦×赤瀬川原平〜文学と美術の多面体〜展」を開催中。12月21日まで。
1984年に町田に居を移して以来、およそ30年間、町田を拠点に様々な活動を展開してきた美術家・赤瀬川原平。お札、缶詰、壊れたポット、はては自邸「ニラハウス」に至るまで、日常生活を構成するあらゆるものを独自の視点と観察行為によって『梱包』や『トマソン』に代表される「作品」へと昇華させてきた。
赤瀬川氏にはもう一つの顔がある。それが、自身の娘との生活をテーマにした「肌ざわり」や父の死により墓所を見学する様子を描いた「父が消えた」によって、1980年代から私小説作家として文壇に登場した尾辻克彦の顔だ。1981年には「父が消えた」で芥川賞を受賞した。
両者の創作の根底には、冷静な観察者としての姿勢と「価値の転換」「日常の異化」への共通した意識が見られる。「本展では約250点の出品作品を通じて、美術家であり、作家である以前にひとりの意識的な生活者として、日常の中に潜む謎に真摯に向き合い、常識を疑う姿勢を貫く希代の創作者の『創造の秘密』に迫ります」と同館。
観覧時間は午前10時〜午後5時(金曜は午後8時まで開館、毎週月曜と第2木曜は休館※例外日あり)。観覧料は一般400円、大学生・65歳以上200円、高校生以下無料。無料開催日も用意。
関連イベントも
11月2日(日)午後2時〜4時、南伸坊氏と林丈二氏の対談「対談!赤瀬川原平さんというひと」を開催。
11月24日(月・祝)は久住昌之氏、12月6日(土)は浅生ハルミン氏の講演会。
問合せは同館【電話】042・739・3420へ。
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