目指すはオリンピック、そして「世界一」(C) K.bros
昨年12月に行われたビーチバレーボールのワールドツアー・マンガウング・オープン（南ア）で、西堀健実選手（フリー）とペアを組み、準優勝に輝き、日本人チームとして14年振りのメダルを獲得した。
「表彰台に立った感動は忘れられない。シャンパンファイトも楽しかったし、一緒に立った選手たちとの親近感が増した。でも何より『もう一度立ちたい。世界のトップ選手に勝ちたい』という思いが強くなった」
高校３年生の時にビーチバレーボール全国大会で優勝。大学進学時から、国内ツアーに参戦し、２年目には国内で年間チャンピオンに輝いた。同時に、オリンピック出場を目指し、海外ツアーにも参戦。２０１３年から西堀選手とペアを組み、世界を転戦している。
昨年、出場した国内６大会は全て優勝。ワールドツアーはスイス、オランダ、アメリカなど10大会に出場した。これまでの最高が９位。この準優勝がワールドツアーで初めての表彰台だ。
「シーズン前半は思うようにいかなかった」と今シーズンを振り返る。今シーズンからコーチも海外遠征に帯同させ、３人で自分たちが目指すビーチバレーのことを何度も何度も話し合った。「嫌なことも言わないといけないし、嫌なことも言われる。『もうヤダ』って思うこともいっぱいありましたよ」。でも、『勝つ』ためにより貪欲になれた。そして、「日本人が世界に勝つためには」という思いに至った。
鍛えるチーム力
「試合に勝つ時って、自分のことより、相手のことを考えている」ことに気付いた。これまで練習や試合で辛くなってくると、「自分に何が足りないのか」「何をしないといけないか」というネガティブな気持ちになっていた。それが少しずつ、対象が自分から相手に変わった。内向きの気持ちから、視野を広く『勝つ』ための気持ちに変わっていった。「こういう小さな変化だけど、３人で『チーム力』を向上できた証拠。日本人が世界に勝つためには『チーム力』」。準優勝に輝いた大会でも、１セット目を落とし、２セット目、３セット目も劣勢になっても、冷静に対処し、そこからひっくり返せた。「チーム力があるから、焦らなくなった。だから、負けなくなったし、競った試合を落とさなくなった」
世界で勝つこと
「まだまだ自分は伸びる」。２年前に大学を卒業し、プロとして歩み出した。全ての行動や考えが、ビーチバレーボールに繋がっている。「強くなれば強くなるほど、壁があるのは分かっている。超えるためにメンタルを鍛えて、自分の中の引出しを増やして、より強くなりたい」。今年の７月には横浜で世界大会が行われる。多くの人に観に来てもらいたい。そのためには『私たちが世界で勝つこと』。
お正月は親戚で集まり、いとこの子どもたちと会うのを楽しみにしている。ほんの一瞬の休養。２月からはオーストラリアでの合宿が始まる。「トッププレイヤーが参加するグランドスラムで、まず一桁の成績。そして、表彰台に立ちたい。次は世界一として」
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