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町田版 公開:2015年1月1日 エリアトップへ

「想定外ではすまされない」 新春インタビュー 石阪市長に聞く

政治

公開:2015年1月1日

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今年の抱負を話す石阪丈一町田市長
今年の抱負を話す石阪丈一町田市長

 2015年の年頭を飾る企画として、本紙では石阪丈一町田市長に新春インタビューを行った。石阪市長は「予期せぬ災害への対応の整備」と「地域社会の構築」に力を入れ、また世界規模のスポーツイベントのキャンプ地招致にも取り組むと話した。

 ――昨年を振り返って感想をお願いします。

 「災害の多かった一年だったと思います。町田市でも年初に大雪に見舞われ、国内では広島の土石流、御嶽山の火山の活動、つい最近では長野の地震など、かなりたくさんの種類の災害があったので、それを行政としてどう備えるかということが一番印象としては大きかったです。いつ私どもの身に襲い掛かってくるか判らないというのが災害なので、今年はそれの備えをもっとしなければいけません。

 あと、人的な災害だけれど、全然把握していなかったマグネシウムの火事。あれは、どうしていいかわからなかったです。消防だってきっとそうだと思います。

 それとエボラ出血熱の疑いがある二次感染患者。いきなり報道で知りました。正規のルートで連絡がなく、テレビで知るというのは良くないのは当たり前で、町田市に連絡が来たのは午後7時ごろ、先に我々はもうテレビで分かっていたのです。危機管理の立場としても、改めて考える必要がありますね」

 ――予想を上回るような災害が多かったですね。

 「昨年、感じたのは、昔よく役所が批判された『想定外でした』という事は、かなり多くあることが分かったということです。そのセリフを使わなくて済むにはどうするかが必要。安全安心というのは行政の一番肝心なところ。そのために、地域防災計画の見直しを現在行っています。それを使って対応できるようにしたい。今までも行ってきたように、被害が出てから動くのではなく、災害対策本部も警報が出る前から立ち上げ、早め早めに対応していきたいです」

 ――ほかに昨年の感想はありますか。

 「町田市の中では、4月から『地域の子どもの相談センター』が開始したこと。公立保育園の5つ全てに、保育園に預けていない子どもの相談ができるようになりました。地域の中で、子育てに悩んでいる人を把握するには地域のこのような拠点があったほうがいい。数は多く作れないにしても、5カ所に分散して相談できるのは、利便性も向上するはず。このようなサービスがスタートできて良かったです。他の都市にはない行政サービスだと思います。あとは、FC町田ゼルビアがJ2に昇格できなく、残念。勝点差1でしたからね。今年は期待しています」

ソフトパワーの構築地域

協議会の推進に尽力

 ――今年の施策について教えてください。

 「この春に忠生市民センターがスタートします。忠生は図書館が比較的空白地域だったので、図書館も整備しました。図書サービスもある程度一段落かと。ある程度均等に図書館ができたのかなと感じます。また、忠生ができたことで、乳幼児健診が鶴川、小山、相原でそれぞれできる体制になります。小さいお子さんを近くで検診できるようになります」

 ――ほかにもありますか。

 「文化芸術ホールの構想づくりを1年かけて固めたい。もう一つは清掃工場の環境アセスメントが来年度中に終わります。その後は事業認可を取ります。実際には民間事業者が建設、運営も請け負うスタイルになると思う。途中でお金が別途かかるようではなく、『この金額でやります』と決めてもらう。5社でも10社でも提案してもらい決めたい」

 ――多摩都市モノレールや小田急線延伸について。

 「今年の年末には、多摩都市モノレールと小田急線延伸の方針が示される予定。それに向けて誘致活動をしていきたい。町田市をあげて機運を盛り上げないといけないですね」

 ――オリンピック招致に向けては。

 「ラグビーのトップリーグやバドミントンの日本シリーズなどの試合を市内で行ってもらえるようになりました。全国大会の実績を作り、招致につなげたい。会場やグランドなどのハード面だけでなく、運営やボランティアなどのソフト面作りも必要です」

 ――地域組織づくりにも力を入れていますね。

 「子どもセンターなどの子育て地域拠点の整備のほか、地域協議会の設立も後押ししています。地域分権型予算を考えていて、その地域の広域的な事業にお金を使っていいですよという予算を用意しています。地域で考えたことを地域の人たち自身がお金を使っていくという仕組みです。地域の課題を解決しながら、地域の人たちのまとまりやコミュニティを育ててほしいですね」

 ――組織や仕組みづくりなどソフト面での取り組みが多いですね。

 「お互いに話し合いをして、自律的な、自主的な活動を支援していきたい。防災に関しても、地域のコミュニティが大切になります。大雪が降って、幹線道路は行政がまず整備するが、住宅街はまず、それぞれ地域の活動になると思います。大きな地震も自分たちでやってもらうことが多い。そういう意味でも地域でのお互いの顔が見える関係を築くことが、いざという時にとても有効になります。これからは、ソフト面の充実が大切です」

 ――町田の魅力再発見については。

 「市外からのお客さんを呼べるように、薬師池公園も整備しようと準備しています。レストラン一つないので、何とかしないといけない。また薬師池の改善にも務めたい。外来魚も生息しているし、水質も悪い。せっかく人が来てくれても汚いのではダメ。芹ヶ谷公園も、同じで工芸博物館も建設していきますが、公園自体が暗い木で覆われているので、間引くなどしないといけない。野津田、薬師池、芹ヶ谷の3つは特に力を入れて、町田の魅力を市外にアピールしていきたいです」

 ――最後に市民の皆さんにメッセージを。

 「それぞれ市民皆さん一人ひとりが今年も輝いてほしいですね。その結果として町田市全体が輝くことになります。皆さんが活躍することで市が元気になります。今年が皆さんにとって、活躍の年になりますように」
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「地域の結びつきが大切」

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