蔓延する危険ドラッグが原因となる事件や事故を防ぐため、町田市と町田警察署、南大沢警察署の両署は21日、市内の不動産業界の2団体と「危険ドラッグ撲滅に関する覚書」を交わした。町田市のこうした取組みは東京都内で3カ所目、多摩26市では初めて。
契約解除や退去措置も
今回、覚書を締結した東京都宅地建物取引業協会町田支部と全日本不動産協会東京都本部町田支部は今後、行政、警察と連携し、危険ドラッグに関する情報を共有する。同団体に加盟する業者は、入居者が店舗やアパート・マンションの一室で危険ドラッグを販売したり、吸引するなど使用した場合に退去措置や、賃貸契約を解除できる条項を契約書に盛り込むなどの対策を進めていく。
この日、市役所で行われた覚書締結式で、全日本不動産協会東京本部町田支部の田代雅司支部長は「危険ドラッグを扱うような業者には事務所を貸さず、入居者に使用者がいたら退去させられるようしっかり準備し、全面的に協力したい」と話し、東京都宅地建物取引業協会町田支部の大滝睦男支部長は「実際に危険ドラッグ使用者を突き止めたりすることは難しいが、契約書に退去や契約解除する条項を盛り込むことが圧力になる。犯罪行為を起こさせないのが狙いです」と話した。
その後行われた記者会見で、石阪丈一町田市長は「危険ドラッグ対策に関する民間側の確認がしっかりとできたので良かった。町田市としても広めていきたい。治安の維持は、住む人だけでなく、周辺住民、外からの観光客、町田市で仕事をしようとする人にとって、とても大事なこと。各市町村の先頭に立って、関係団体と協力して、安心・安全な街づくりを進めていきたい」と述べていた。
町田署管内で微増
危険ドラッグは麻薬、向精神薬、覚せい剤または指定薬物ではないが、それらと類似の有害性が疑われる製品のこと。全国各地で危険ドラッグによる悲惨な事件、事故が確認されている。
町田警察署によると、110番通報、職務質問、救急搬送などにより、同署管内での危険ドラッグ使用による体調不良や事件、事故の認知件数は、過去3年で21件、24件、29件と微増している。9割が初犯で30代が多いという。
同署の金子伸司署長は「危険ドラッグ対策には色々な仕組み作りが必要。取締りと併せて供給ルートを絶つためにも、行政、警察、民間の連携は欠かせない。情報の共有もしっかりやっていきたい」と話した。
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