「聴く」ことにより、相談者の心に寄り添い続ける『小さな一歩電話相談室』(金子淳子代表)。年間140件ほどの相談を受ける。相談者の声を丁寧に聴くことで、少しずつ心を和らげていく。結成から10年、2月には講演会を初開催する。
町田市内で発生した児童虐待死事件を契機に、「子どもの命を虐待から守りたい」と願う市民らが2003年、同相談室の前身「町田市児童虐待防止を考える会」を発足させた。04年には子育て支援を開始した。
子育て活動の中で、「孤立している親子とどうやってつながるか」という課題に、「電話なら自宅からでも相談できる」と電話相談の活動を05年から始めた。「悩みを抱えて、孤立している親の気持ちを聴き、『1人でない』と思えることで、子どもへの虐待を思いとどまってくれれば」との願いを込めた。
聴き役に徹する
電話相談活動を始めてから、今年で10年。現在はボランティアスタッフ16人が所属し、年間140件ほどの相談を受ける。スタッフはカウンセラーや社会福祉関係など全員研修を受けている。1日2人で担当し、それぞれが相談者の話を聴く。
同相談室は『聴くこと』に重きを置いている。スタッフが相談者にアドバイスするのではなく、相談者が話したいことを聴き続ける。「どんな方でも、『今より良くなりたい』と思っています。その気持ちを大切に寄り添うことで、相談者自身が気づき、少しずつでも前向きになってもらえれば」と金子代表。
相談の中には「数年振りに電話することが、できました」と報告の連絡が来ることもあるという。「以前相談し、いつか心が落ち着いたら、報告をしようと決めていた」と話し、それまでのことを語ってくれたという。金子代表は「ずっと心の奥で、私たちの相談室のことを思っていてくれていたんですね。本当にうれしい」とこの10年間を振り返る。
同相談室では、相談員スタッフや賛助会員を募集している。
講演会
10周年記念講演会を2月14日(土)に開催する。横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長の山本晴義氏を講師に、「ストレス・悩みの解消法」をテーマに講演する。午後1時30分〜4時30分。会場はコメット会館(原町田5の4の19=町田駅から徒歩10分)。入場無料、当日会場へ。問合せは【電話】042・793・9867金子代表へ。
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