「住みよい地域って何だろう?」――。この問いに全力で取り組んでいる地域がある。京王相模原線が開通したことで拠点ができ、まだ歴史が浅い『多摩境』地域で、様ざまな試みで地域を活性化させている。「魅力ある街、親しみのある街は自分たちでつくる」を実践し、多種多様な業種、幅広い年代層、地域住民を巻き込みながら活動している。
約1万1千世帯、2万8千人以上が住む多摩境地区(小山町と小山ヶ丘)。多摩境駅ができたことで住宅街が広がり、多くのマンションも建てられた。これまで地域を支えてきた住民と、新しく転居してきた住民が協力して「よりよい地域づくり」を行っている。そして地元の商店、企業もそれに参加し、地域活性化に一役買っている。
地元の商店会「アレサ商栄会」では、住民同士をつなぐだけでなく、住民と商店・企業が親しみやすくなるイベント、そして地域の魅力を紹介する企画や南大沢警察署・町田消防署などと協力して、防犯・防災活動など幅広い分野で地域を盛り上げている。
殺風景な壁に「花いっぱい」
多摩境駅から徒歩3分の好立地に2016年初めに完成予定のマンション『シャリエ多摩境』では、無機質になりがちな工事中の防護壁を子どもたちの絵でいっぱいにしようと企画。相談を受けたアレサ商栄会は、「面白そう、すぐにやろう」と協力を申し出た。警察や小学校など関連機関とすぐに打ち合わせを行い、現在149枚の小山中央小学校の当時3年生の絵が飾られている。「地域貢献をしたいと考えていました。地元の方々に大変協力していただいたので、予想以上の壁画アートになりました。それにしても、皆さんがすぐに行動してくれたのはビックリしました」と同マンション。壁面には絵だけでなく警察署の標語「『母さん助けて詐欺』から家族を守ろう!」なども書かれている。「この地域には高齢者も多いので、被害も減っていない。警察からのアピールだけなく、このような目立つ場所に掲げてもらい、とてもありがたい」と南大沢警察署。
地域みんなで住みよい街に
アレサ商栄会では、これまでも、「薄暮時に高齢者が被害者になってしまう交通事故が増えている」と南大沢警察署から相談を受けた時も、「じゃ、午前中に買い物してくれるように割引セールを行おう」と商店会やサレジオ工業高等専門学校などが協力して啓発&セール情報チラシを配布した。
ほかにも小山の住みよい街づくり協議会と協力して、災害などで活用できる「防災おやまップ」や自然豊かな街を生かした「趣味おやまップ」など、地元の商店会だからできる街の魅力と住民に知ってほしいこと、住民が知りたいことを、地域を巻き込んで発信し続けている。
「みんなの地元だからね、『住んでいて良かった』と言い合える街にしたいよね」とアレサ商栄会。
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