町田の街並みをイラストに描きおろし、展示会を行うイラストレーターの 本田 亮さん 中町在住 31歳
人々の暮らし彩る絵師に
○…駅の中心街から程近い一室で黙々と水彩画を描き上げる。その部屋には時計がない。「できるだけマイペースにやりたいんですよね。それが性に合っている」。本や雑誌の挿絵イラストから企業や施設の内装まで様々な空間に”色を与える”仕事。今回の展示会は「ただ絵を並べるんじゃなく、町田をもっと好きになるきっかけになると思ったんです。皆がなにかを感じてくれたら」と意気込む。
〇…『活発なタイプ』と振り返る少年時代。友だちと遊ぶことも好きだったが、なにより好きだったのは『絵を描くこと』。ドラえもんの落書きで勉強机をいっぱいにしながら漫画家を夢見ていた。漫画家から”イラストレーター”に路線変更したきっかけは環境漫画家「本田亮」さんのイラスト。新聞で見つけて「『自分と同じ名前の人の絵だ!』って」。空想の恐竜が水を飲み、環境保護を訴えるイラストが心を鷲掴みにした。それからしばらくお父さんの仕事の都合で英国への引っ越しが決まった。
〇…「赤ちゃんに戻ったような気分でしたよ」と言葉の壁に苦労した頃を振り返る。めまぐるしい環境の変化と意見もうまく言えない苛立ち…救ってくれたのが、自分の気持ちを真っ直ぐに表現できる『絵』だった。諦めずに語学の勉強を続け、専攻はできる限り美術を選んだ。大学まで進むうちに気づけば英語も習得、周りは夢を応援してくれる友人で溢れていた。
〇…卒業後は通訳とイラストレーター「二足の草鞋」。絵一本で勝負することにしたのは『もっと挑戦しなよ』という友人の言葉だった。「当時は『頑張ってるよ!』って反発したんですけどね。今では感謝してます」とほほ笑む。帰国し、出版社に片っ端から自分の絵を売り込む。その努力が実を結んだのか、様々な仕事が舞い込んだ。今後の目標は『仕事に慣れないこと』。「昔の情熱を忘れずに、人の心を豊かにするような絵を描き続けていきたいですね」
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