小野路宿里山交流館のアートコンテストで最優秀賞を受賞した 吉田 博さん 鶴川在住 81歳
「行ってみたい」と思わせたい
○…「昔からカメラや8ミリが好きだったから、うれしいよ」。紅葉の赤と大根の白、バックには煙が立ち上り、「これだ」とシャッターを切った。小野路周辺の自然豊かな風景と人々の営みを切り取った。最優秀賞を今回で3年連続受賞した。
○…東京都麹町、四ツ谷駅のそばで育った。空襲を逃れるために、親戚を頼って1945(昭和20)年に町田市鶴川に移った。「いたずらっ子で、先生に怒られる普通の子どもだったな」と振り返る。小学校、中学校の地元の仲間たちは今でも仲良しで、国内旅行やヨーロッパ旅行などを楽しんでいる。今でも20人くらいは集まり、昨年末には昭和30年代に鶴川を撮影したビデオをみんなで見て当時を懐かしがった。「みんな定年してから会いだしてね。気の置けない仲間と会うのは本当に楽しいよね」
○…大手印刷会社に就職する。「目いっぱい働いたね。しっかり仕事すれば認められてね。それがうれしかった」。写真製版を任せられ、様々な商品のパッケージを手掛けた。「たぶん、自分が手がけた商品がみなさんの家にもあると思うよ」。働き始めたころ、カメラと8ミリビデオを買って、家族や風景、街並みを撮り始めた。「カメラが欲しくてね。一流メーカーのカメラは手が届かなかったけど、少しずつお金を貯めてね。何度も買い換えたよ」。今でも当時使っていたカメラや8ミリビデオカメラを大事に保管している。
○…定年退職後、仲間や家族でいろいろな場所を旅した。ツアーに頼らず、自分たちで行程を決め、自由に歩き回った。ヨーロッパが好きでスイスだけでも5回旅した。「ビデオも写真もいっぱい撮ってある。みんなで見返すと楽しいよ」。家には旅行の写真がいっぱい飾られている。「写真を見てもらった瞬間、『行ってみたいな』と思わせるような写真が撮りたいんだよね」。カメラを構える時、いつも心がけているという。
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