町田版 掲載号:2017年3月9日号

宮司の徒然 其の24

町田天満宮 宮司 池田泉

人口知能

 最近、将棋、囲碁、オセロなどをコンピューターにプログラミングしてその世界の名人と戦わせている。数々の対局を見ていると、要するにとても楽しいのはプログラミングしている人たちのようだ。我々に大した感動が得られない理由は明らかだ。人間同士が対局することによって、経験、体調、運などの様々な要因が混じりあって面白い戦いになるのであって、冷たいプログラム相手では面白さも半減する。そして人工知能同士の戦いとなれば、完璧になるほどに面白さはゼロ。唯一の面白さは人工知能を作っていく人間のミス。やはり生身の人間がミスすることが面白さの大切な要因なのだ。人付き合いもそうだろう。完璧な人間など付き合っていて面白いわけがない。魅力とは人間らしさなのだから。



 松ぼっくりは乾燥すると種鱗(しゅりん)を開いて羽根付きの種を飛ばす。遠くへ飛ばす理由は勢力範囲を広げる目的もあり、また根元に落としたら親木に影響してしまうという理由もある。この種鱗の開閉機能は木が意識して動かしているのではなく、親木から落ちて枯れてしまっても働く。水に漬けると閉じ、乾くと開く。これは鱗片の繊維の密度などによって、所謂自動的に開閉するようにできている。江戸時代から明治にかけて南米から渡来したアカバナ科のツキミソウ=写真=は、夕方から白い花を開き、花弁は朝にはピンク色に萎む。蕾に赤い線が入ると咲き頃で、咢が割れて花弁が膨らみ、ストッパーの咢が外れるとフワリと開く。時折咢が外れない花があり、見つけたら指でつまんで外してやると、目覚めの伸びをするように開く。月明りによく映える白い花だが、誘惑している虫の正体はまだ見たことがない。花が終わって種が作られると茎は枯れて硬くなり、ゴマより小さな種は硬い果実に包まれているが、松ぼっくりと反対に雨で濡れると果実の硬い皮は花のように4つに開いて、粘性を持った種が流れ落ちる仕組みになっている。粘性があるのはおそらく動物や虫に付着して移動するためだと思われる。この果実も乾くと閉じて濡れると開くという機能は枯れても失わない。



 気の遠くなるような年月をかけて繁殖のために開発されてきた機能を素晴らしいと思う反面、死んで枯れても尚機能していることに一抹の不安も感じる。人類がいつか自らを修理したりできる人工知能を作り出したなら、そして人類が大きな間違いを起こして絶滅したならば、冷たい機械だけが太陽エネルギーでいつまで動き続けるのか、なんとも恐ろしい景色だ。温かみのある生身の人間同士の世界を守らなければいけない。人間同士が争っている場合ではない。

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