ヒョウガライトヒキクラゲ（＝北里大学ＨＰより）。生まれたばかりはほとんど見られないヒョウ柄が、成長につれ発現するという
北里大学海洋生命科学部（相模原市南区）の学生が運営するミニ水族館「北里アクアリウムラボ」で今月１日から、傘にヒョウ柄の模様を持つクラゲ「ヒョウガライトヒキクラゲ」の展示が始まった。新江ノ島水族館（藤沢市）、鶴岡市立加茂水族館（山形県）との３館同時公開で、世界初の展示となる。
日本で繁殖に成功
今回展示されたヒョウガライトヒキクラゲは１９１４年にフィリピンで発見されて以降、その生息は不明だった。その珍しいクラゲが２０１３年、同大の三宅裕志准教授と共同研究者である広島大、東海大によって約１００年ぶりにフィリピン西部の海で再発見された。三宅准教授らは毎年現地へ赴き、16年９月に同クラゲの生体を受精させ幼生を採取することに成功。日本へ持ち帰り、繁殖にも成功した。
三宅准教授によると、クラゲの種は世界でおよそ３２００種あると言われ、日本近海には約２００種が生息しているという。その生態は種により様々で解明されていないことも多い。現在展示されている生体は傘径が３cm程度、成長すると20cmまで大きくなる。深海生物やクラゲなどを長年研究している三宅准教授は「今回発見した個体を研究し、引き続きクラゲの生活史や環境適応を紐解いていきたい」と話している。
学生主導の水族館
同学部の校舎に併設しているミニ水族館「北里アクアリウムラボ」は、学生約30人が中心となり企画・運営している。「一般的に知られている生物をスターにしよう」をモットーに、希少な生物に限らず様々な海洋生物を、趣向を凝らした方法で展示している。
一般公開は、平日の午前10時〜午後４時で入場無料。入館の予約は不要だが、学生による解説が必要な場合は電話で予約を。問合せは同学部事務室【電話】０４２・７７８・７９１９へ。
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