町田市立金井中学校(仙北屋正樹校長)の2年生は13日〜15日、ブリティッシュヒルズ(福島県)で移動教室を行った。イギリスの伝統的な生活様式を模した施設で、生徒たちは英語や文化を学んだ。町田市内の中学校で、初の試み。
金井中学校ではこれまで、農業体験などを2年生の移動教室で行ってきた。今回初めて、英語だけなく海外の文化や生活を体験してもらおうと、語学研修施設であるブリティッシュヒルズで行われた。
この施設は中世英国の領主の館や湖水地方の街並みなどを模したもので、建築物や美術品、調度品、生活用品などすべて現地より本物を取り寄せ、文化や生活などイギリスを再現した空間となっている。年間3万人以上が来場し、そのうち8割が語学研修を行っている。全国から小中高校も来ているという。敷地内は英語が基本で、スタッフたちは生徒たちに英語で話しかけてくる。
3日間は実践そのもの。施設に着くと空港で行われる入国審査が行われる。突然、英語で話しかけられた生徒たちはドキドキしながら、英語で返答。授業もすべて英語で進められる。ただし、先生から生徒への一方通行ではなく、生徒から英語が発せられるように工夫されている。「何をするために、この施設に来たの?」という問いに答えられない生徒も、「好きな教科は」「すきな食べ物は」「趣味は」「好きなスポーツは」という質問なら答えられる。生徒が思っていることを答えさせようとしてくれるので、生徒たちは徐々に英語が口に出てくる。「通じる」ということに楽しさを感じてくる。敷地内で先生や違う班の生徒とすれ違う時、いつもの学校では絶対にしない「ハーイ」「ハロー」と声をかけ始めた。
同中学校では、事前学習にも力を入れ、英会話のフレーズを覚え、イギリスの歴史や文化、習慣などを調べ、そのほかコミュニケーションの大切さや国によって伝え方が違うことも講師を招いて学んできた。「英語の先生が中心になって準備してくれましたが、他の先生たちも協力してくれ、充実した準備学習ができた」と仙北屋校長。
最初は恥ずかしくて、何を言っているか分からなくて、「つまらない」と言っていた生徒も、「何を言っているか分かる」ようになると積極的に授業に参加し、「分かる喜び」を感じているようだった。「英語を聞けるようになると、自信になる。元々英語が好きだったけど、もっと使ってみたいと思った」と目を輝かせながら生徒たちは話していた。
仙北屋校長は「英語が話せるようになるためだけに来たんじゃないよ」と生徒たちに言う。話そうとする勇気や通じ合える喜び、異文化を楽しめる心…、そういったものを体験してもらえればという。「この経験は英語や学校の授業だけでなく、色々なことに役立つはず」と仙北屋校長。
町田版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|