町田混声合唱団の指揮者を務める 高浪 晋一さん 玉川学園在住 76歳
合唱の楽しさを伝えたい
○…1941年、開戦の年に東京に生まれ、疎開先の長野県で高校卒業までを過ごす。中学のときに友人の影響でピアノを始めた。進学校の長野高校に進むが、生徒はピアノに触れることが厳禁で、こっそり音楽室に忍び込んで弾いた。のちに国立音大に進むきっかけとなった先輩から誘われたのが合唱との出合い。
〇…「音楽を専門としない人、苦手とする人たちにこそ、合唱の面白さを伝えたい」。玉川学園で26年、国立音大で15年教鞭を取ったが、基本的な姿勢は今も変わらない。1978年、町田市民ホールの完成に合わせて「第九の演奏会」を開くための企画で指導した。翌年、このときのメンバーが中心になって町田混声合唱団が誕生した。それから38年、定期演奏会は今度で24回目になる。
〇…「型にはまるのが大嫌い」と話す。教員時代、まだ誰も背負っていないころからリュックを背に通勤し、今でも夏場はげたを履いて過ごす。見た目も、体組織の測定数値も実年齢より15歳は下になる。若さの秘けつは自ら名付けた「私設ジム」。駅の階段、電車の吊り革、目的地まではできるだけ歩く。そのすべてが運動だと位置づけ、健康管理に努める。体が弱かった子どものころ、親に勧められ毎日山に登りヤギの乳を搾って飲んだ。中学生のときには体操も鉄棒も得意な子になっていた。
〇…学生への指導は「歌えて、(楽器を)弾けて、(曲を)作れて、(指揮を)振れて、踊れる指揮者に」がモットー。現在は音楽工房を主宰し、合唱団の指揮、教会での歌唱指導、音楽監修など、定年退職してからの方が忙しいぐらいだ。それでも「自分自身が一番音楽を楽しんでいるからストレスがたまらない」と笑顔で話す。合唱団では肩のはらない楽しい指導と指揮、演奏会では子どもから大人まで一緒に楽しめる「合唱の喜びの原点」を伝えていく。ゆっくり、丁寧に。信念は「各駅停車で」。
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