「ケーキ屋なのにカレーの香りがするのはいかがなものか」―――。最初はスタッフも不安だった。
八王子市内を中心に合計10店舗を構える有限会社バーゼル洋菓子店(高倉町/渡辺純代表)。同社が手掛ける洋菓子店はカフェを併設している所が多く、ブラッスリーバーゼル(明神町)、パークサイドカフェ(台町)、バーゼル高倉店(高倉町)、豊田店(日野市)ではカフェメニューとしてカレー=写真=を提供している。
このカレーは高倉町にある同社のケーキ工場で製造されているもの。カレーは毎日7、8時間をかけ約140人前を調理している。
「夏はケーキのテイクアウトが売れにくい。何か売上を補うものはないか」。渡辺さんは十数年前、店舗のまかないメニュー「カレー」に目を付け、スタッフから評判の味の商品化をめざした。カレーのレシピと言えば一般的に「たまねぎを炒める」ことから始まるが、渡辺さんは「たまねぎの芯がなくなるまで」煮込み、スープを作り、それをカレー味にしていく方法を採用した。「脂はできるだけすくい取るので、食べてもお腹が重くならない」(渡辺さん)。とろみは小麦粉などでなく、野菜が溶けた繊維で。そしてカレーの隠し味にはチョコレート(仏(フランス)産の高級品)が入っている。
「はじめた当時、『カフェで食事』というお店は周りにあまりありませんでした。今ではすっかり店舗の定番メニューになっていますね」
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