宮城県石巻市出身の櫻井唯さん(23)=写真=は昨年4月から、山田町にある光明第五保育園で働いている。地元の高校を卒業してすぐ大震災が起こり、海から400メートルほどの所にある自宅は流された。3日間、役場に避難したあと、親戚のいる仙台市へ。「何が起きたのか、嘘か本当かわからなかった」と、櫻井さんは避難時を振り返る。
保育士をめざし仙台市内の大学に通った。無事に資格を取得しいざ就職。募集時期が宮城県内より早い地域の保育所も就職イベントで探してみた。
「『働きたい』と思ったのはここだけでした。訪問した際、園児がけん玉やお手玉をしていて、日本の文化を大切にする園の姿勢に惹かれました」
「芯が強い」
第五保育園の尾又幸子園長は「物腰がやわらかく、子どもの目線になって対応してくれます。辛い経験をしているので、芯が強い」と、櫻井さんを評価する。
櫻井さんによると八王子は「仙台と似ていて落ち着きがある」そう。生活に不便はないが「ウニや貝は地元の方がおいしいかな」と笑う。「(震災後)1、2年目は地震がくるたびに『怖い』と思いましたが、今はそんなことはありません。早く復興してほしいです」
同保育園を運営する社会福祉法人多摩養育園(八木町)は8年ほど前から、東北地方で開催される就職イベントに参加し、現地の若者らを雇用する機会を設けている。震災後もこの事業を続けており櫻井さんはこの場で同法人を知り、就職した。
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