稲城市市議会議員に就任して5年――。この期間を「あっと言う間だった」と語るのは、元「WBA世界フライ級チャンピオン」から議員に転身した坂田健史(たけふみ)さん(36)。
議員生活は2期目に入った。常に前に出て相手に向かっていくスタイルだったボクサー時代同様、一つひとつの街の問題に「真っ向から」取り組んでいるという。「ただボクシングと異なり、地域の問題には様々な課題が積み重なっている場合が多い。幅広く物事を見る必要性を感じている」と坂田さんは1期目の議員生活を終えた感想を漏らす。
「今度は支える立場に」
ボクサー時代に応援してくれていた後援会のひとりに「今度は支える方になってみないか」と誘われたことが転身のきっかけ。幾度の挫折を味わった選手生活を支えてくれた人たちに「恩返しをしたい」と強く思った。「ボクサー時代は、目の前の事を懸命にやっていたら道が開けた。議員も全力を尽くせば結果は出ると考えた」
市議となり、街を「見る目」が変わったという。自然が多くのどかな所と考えていた街が「どうしたら良くなるのか」と変化を続ける街の背景を探るようになった。「議員さんって何をやっているの」――。そう質問される度に、市民に自身の仕事が見えていないんだと、もどかしさを感じるのだという。「ボクサーは勝てばスターになりみんなに喜んでもらえる。でも議員は地域の課題解消に向け、市民の協力を得る努力をしなければならない」。元世界チャンプは議員の仕事をそう捉えている。
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