10月は乳がん予防月間としてピンクリボン運動をはじめ全国で様々な乳がん検診の普及啓発活動が行われる。八王子市の乳がん検診受診率は20・39%。市では乳がんに限らずその後の精密検査の受診率アップにも力を入れている。担当課では「国の定めた検診を確かな品質で実施してこそ、受診率を高める意味があり、市民の死亡率減少につながります」と話している。
八王子市の乳がん検診の受診率は右肩上がり。2011年度の14・73%から年々上昇し15年度には20・39%になった(市の検診受診者)。市民レベルの活動やピンクリボン運動、行政の事業などが盛んになり、検診の認知度が高まったことなどが背景にあるとみられる。
乳がん検診の結果、精密検査が必要とされる人は100人に6人程度と言われている。「大切なのは『要精密検査』とされた人が確実に検査を受けること」と、市医療保険部成人健診課は話す。
「『精密検査が必要』と判定された場合、それは『がんの可能性がある』ということです。精密検査の結果、がんと判定される方は、およそ7人。逆に言えば、93人はがんではありません」(同課)。がんの早期発見とともに、がんでないとはっきりさせ安心するためにも精密検査を受けることが重要となる。市ではその精検受診率をあげるため、独自の取り組みを行っている。
医師会が協力
11年度に八王子市医師会の協力のもと、がん精検対象者が医療機関で検査を受けた結果が市へ戻る仕組みを構築。結果が届かない場合は、本人へのアンケートや直接電話をすることで、受診状況を確認している。この取り組みの効果もあり市の乳がんにおける精密検査受診率は「97%」と、住民規模を含め全国トップクラスの実績という。医師会は「市と連携し、市民の健康維持・増進を図るべく、市の検診に協力する体制ができています。マンモグラフィ、肺がん検診のX線検査のフィルムは、全て検診機関で読影後、医師会に集められます。それを再度複数の専門医の目でチェックし結果判定をしています。職場等で受診機会のない方は、是非、安心して市のがん検診を受けてもらいたい」と話した。
「目的は市民のがんによる死を減らすこと。もちろん受診率は大切ですが精度管理も重要です」(同課)。精度管理とは確かな品質でがん検診をしているかどうかの指標。「要精検率」「陽性反応的中度」「がん発見率」という国が設定した項目に対し、行政の数値が適正であるか否かで判断される。八王子市はこの精度管理について国から高い評価を得ており、それを受けて子宮頸がん検診におけるHPV検査の有効性を評価する国の検査検証事業に都内の自治体で唯一参加している。同課では「我々の役割は『要精検率』などのプロセス指標を国の許容値内に収めていくこと。結果として死亡率を減らすことができる」と話した。
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