八王子版 掲載号:2017年2月9日号

ドールハウス作家で、3月に七国のカフェを会場に個展を開く

谷本 朋子さん

横川町在住 51歳

笑顔生む 「本物」の家

 ○…ドールハウスとは1/12のサイズで表現された模型の家のこと。出あいは20年ほど前。子育ての際、たまたま見つけた本の中で「自分でも作れる」ことを知りはまっていった。「理想の風景を思うようにできる」のが最大の魅力という。驚くことに、粘土による数ミリほどの「花びら」「ツタの葉」1枚1枚も手作り。「その世界に入り込んでほしい。偽物は作りたくないんです」

 ○…プロの指導を受け、4年ほど前、作家として独立。作品はオーダーメイドで、注文はHPからが多い。現在、10件ほどの依頼があるそう。昨年は八王子ものづくりコンテストで最優秀賞を受賞。将来はアトリエを構え、作り手のコミュニティのような場所にできればと夢を膨らます。夫は「うるさいくらい応援してくれる」とほほ笑む。長女は都内で暮らし、長男は農業系の大学を卒業。「春から自転車で全国の農家を巡るみたい。1年くらい帰ってこないって」と笑って話す。

 ○…波乱万丈の人生だ。大阪府で4人姉妹の長女として生まれる。中学生のとき、父が経営していた会社が連鎖倒産し「夜逃げ」を経験。そのことで学校では「いじめ」にあった。結婚した後、八王子へ。集中豪雨で隣地が崩落し約1年間、仮住まいを転々としたこともあった。そして、8歳だった次女を交通事故で亡くした。「いってきます!」のおよそ10分後、あまりにも悲しい知らせが届いた。「子どもって『いつか自分(親)の手を離れていくんだな』って」 

 ○…笑顔が絶えない子だったそう。「娘の分も笑って生きたい」―――。深い悲しみは創作意欲を駆り立てた。「ミニチュア(ドールハウス)は年齢性別を問わず喜んでもらえる。つらい思いをしている人を笑顔にしたいんです」。だから作品はリアル(本物)を追及。「ずっと眺めていても楽しめるか?きちっと作ればそうなるはず」。ほんの小さな花びらやツタの葉1枚にも決して手抜きはしない。

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