契機は四〇〇年祭
武田家滅亡により甲斐の国から幼い子どもを連れ八王子に逃れてきた武将の娘「松姫様」。その波乱の生涯を「ドラマ化」しようとするプロジェクトがスタートした。
発起人は八王子商工会議所女性経営者の会シルクレイズ会長、町田典子さん(同会議所副会頭)。3月24日に関係者らが集まり旭町で初めて勉強会が開かれた。
昨年、松姫様が眠る台町の信松院で四〇〇年祭が執り行われたのがきっかけ。10年ほど前から「ドラマにできないか」と考えていた町田さんは、この祭りの成功を見て周辺に声をかけ始めた。「八王子の人が郷土の歴史に興味を持ち、地域のつながりを広げていくことは、市制100周年にふさわしいと思う。活動を通じて八王子が元気になれば」と今年のプロジェクト開始を決めた。
「大河」をめざす
勉強会で町田さんは「NHK大河ドラマが究極の目標。しかし大河は全国各地との競争もありハードルは高い。3、5クールのドラマや映画でもいい」と希望を述べた。
松姫様に詳しく講演の経験もある鈴木泰さん(立川市在住)は「『なぜ甲斐へ帰らなかったのか』『なぜ嫁にいかなかったのか』など、謎が多いのも魅力」と話し、「歴史を生かしたまちづくりは大切。八王子の形を作ったのは大久保長安で、心を入れたのは松姫様」と解説した。
また八王子には子育て呑龍(どんりゅう)として慕われた「呑龍上人」、世界大戦後のドイツで伝染病から市民を守った「肥沼信次」など、松姫様だけでなく「人を守るために命を懸けた人々の伝統がある」とも説明した。
1月に発表されたCD「松姫物語」の作詞作曲を手掛けた森下晴男さん(あきる野市在住)もプロジェクトに賛同し「その人生は日本人の心をうつと思う。多くの人に存在を知ってもらいたい」と挨拶した。
ドラマ化実現にむけ「オール八王子で盛り上げていく」ため、今後同会議所の田辺隆一郎会頭を含め実行委員会を立ち上げる予定。
「声」募集
なお町田さんは「みんなで同じ方向をむくことが大切」とし、このプロジェクトについての「声」(意見・要望)を受け付けている。窓口は八王子商工会議所(女性経営者の会シルクレイズ)。電話は042・623・6311、FAXは042・626・8138へ。
松姫様のドラマについては約30年前、「おんな風林火山」(鈴木保奈美主演)としてTBSで放映されたことがある。
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