八王子市らが開く市制100周年記念事業の中心的イベント「第34回全国都市緑化はちおうじフェア」(9月16日〜10月15日開催)までもうすぐ100日となる。担当する市の同フェア推進室は現在、市民ボランティアらと共に急ピッチで準備作業を進めている。
推進室は2016年1月、フェアの準備・進行部署として発足。環境や保育など様々な部署から期間限定でメンバーが集められた。「公園の環境整備などを行ってきたこれまでの経験が生かせると思った」と、推進室の佐藤宏室長は任命直後を振り返る。
与えられたミッションは、15年に決定したフェアの基本計画を具体的なプランへと落とし込み、実践へと導くこと。花と緑に関連させたイベントをメイン会場の富士森公園中心に開き、街のにぎわいを生み出す。そして、フェアを通して、花と緑ある生活が市民に定着するような企画づくりを求められた。
そのため推進室は、造園やガーデニングのスペシャリストを探し出しアドバイスを求め、共に実施計画を作り出していくことに。「市民に、花と緑ある文化的な生活を提案できるイベントを考えてきた」と推進室。その一例となるのが、富士森公園に整備される予定の花壇(八王子千人同心花壇)だ。市民ボランティアがガーデニングのプロと共に花壇をつくり上げていき、その過程を通して、「花緑ある生活」の魅力を参加者らに知ってもらい、「広報役」としてその楽しさを周囲にも広めてもらう――。そんな「形」の計画が複数案決定していき、準備が同時並行で進められている。
サテライト会場でも
富士森公園以外のサテライト会場(道の駅八王子滝山や片倉つどいの森公園など市内6カ所)で活動の中心となるのが、それぞれのエリアの「スペシャリスト」らだ。市民ボランティアをまとめ、各地域に合った形で、市民「参加体験型」企画の準備を行っている。
サテライト会場のひとつ、南大沢駅前・由木地区(東エリア)では期間中、南大沢駅周辺を「花緑」で彩るほか、エリア内の公園でパークバーを開き、来場者に「花緑ある生活」を楽しんでもらう計画などを立てている。また、エリアのまとめ役を務める、松木でガーデニング店を運営する吉田祐治さんらが「先生」となり、市民ボランティアを対象にした「花壇づくり教室」を2月から開催し、主要ボランティアとして育成すると共に、「花緑ある生活」の発信者として育ててきた。「フェア後も教室を開き、花緑づくりに関わる人材育成を図っていく予定」と吉田さん。
フェアのレガシー(遺産)として、花と緑あるライフスタイルを八王子に定着させたい思いがあるという。
これからが「本格的」スタート
「これから、ようやく本格的な準備がはじまるという状況」と推進室。現在は、フェアを支えてくれるボランティアの募集や、来場者にいかに市内会場を回遊してもらうかなどについても頭を悩ませているところだという。「八王子の魅力を、市内外の方々にいかに知ってもらうか、検討を重ねていきたい」と佐藤室長。
100年目を迎えた八王子に、今回のフェアが新たな文化を「植えつけて」くれそうだ。
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