演歌歌手で、ご当地ソング「八王子加住音頭/滝山城の春」を歌う 植松 しのぶさん 加住町在住
「1人じゃない」 夢はみんなで大合唱
○…八王子だけで5ブロックに分けられるほどの後援会。秋田県や石川県にもあり1000人以上が所属する。一昨年は地元・加住にも立ち上げられた。「どんどん家族が増えていく感じ」。会員は賑やかな人が多く、公演前の控室が宴会場のようになることも。ステージにあがると「あの人いる。この人いる」とそんな”仲間”の顔を確認しながら笑顔を振りまく。「とても義理人情を大切にする人」と、知人は声を揃える。
○…父親がカラオケ教室を開いていたため、幼い頃から自然と演歌が身についた。高校生になると父に連れられ老人ホームなどで歌うように。学校帰りのセーラー服姿でステージにあがったこともあった。父の仕事が忙しく普段なかなか一緒に居られなかったため、演歌を歌うことで「親子の時間」を作ることができた。歌声にまわりが喜んでくれる姿を見てその道を志すと決めた。
○…セミプロとして活躍したが、体調を崩し一線を退いた時期もあった。2005年、満を持してキングレコードからデビュー。現在は徳間ジャパンに所属。メジャーレーベルから2作品を発表した。西多摩地区を中心に祭りやイベント、老人ホームなどに呼ばれることが多く3年前には「老人施設慰問300回」を記録しその地道な活動は日刊紙でも取り上げられた。今年1月には地元のセンターで「ずっと歌いたかった」というご当地ソングを披露し大歓声を受けた。
○…2人3脚でやってきた父を2年前に亡くした。「演歌は父の夢。声が続く限り歌いたい」――。かつてはステージの直前に、緊張から逃げ出したくなったことも。歌詞を忘れたらとの不安から掌に書いて歌ったこともあった。今は違う。「これだけの人が支えてくれている。1人じゃない」。家族の絆を歌ったオリジナル曲「花の酒」。全国の後援会の”仲間”を集めコンサートを開く。そしてこの歌を大合唱するのが今の夢だ。
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