八王子で栽培したブドウを使ってワインづくりを――。山梨ワインの販売などを手掛けてきた大和田町在住の大澤桂仁さん(38・都下ワイナリー(株)代表)が製造に挑戦する。まずは畑を探し、じっくりと醸造用のブドウを育てていく考えだ。
販売業・大澤さん
大澤さんによると、現在都内にあるワイナリーは2軒。多摩地域にはないという。
大澤さんは山梨県笛吹市の出身。実家は1町歩(約3000坪)の敷地で、ブドウや桃などを栽培していた。
上京し企業へ就職。その後、日野市で山梨ワイン専門の販売会社を起業。故郷を離れて初めてその良さに気が付いたそうで、地元の同世代の知人らが作るワインを主に扱った。現在大澤さんは、ギフトワインの専門サイトを展開している。
「実家のまわりではワインづくりをしているところが多く、幼い頃からワインは身近なものでした」。販売業を営むなかでいつしか「自分も」と思うようになった。
八王子は寒暖の差が大きく、山梨の気候に似ている部分がある。またブドウを栽培してきた実績もある。「多少雨が多いかもしれないが、いいブドウを作れるのでは」。昨年、会社を移転した際、施設内にワイン製造用機械類を設置し「酒類製造業」の許認可を得た。しかし大澤さんは「まだまだスタートラインにも立っていない」と現状を説明する。
実まで3〜5年
ワインづくりには、何よりまずブドウ栽培のための畑が必要となる。苗木の確保も重要だ。「様々な醸造用のブドウ品種を植え、土地に適したものを探し、『目が届く範囲』で育てていきたい」。畑を耕してから3〜5年でブドウの実がなる。ワインづくりに適した本格的な栽培にするにはそれ以上の年数がかかる。
5月に開催されるワインイベント「サンヴァンサン八王子」の代表を務める渡辺純さん(バーゼル洋菓子店)は「畑を開墾してからのワインづくりは長い道のりになる。大澤さんの勇気とチャレンジ精神を尊敬するとともに、とても楽しみにしております」と話した。
大澤さんは、いずれはワインづくりが八王子の産業のひとつとなり、山梨のように市内にいくつもワイナリーが点在することを夢に描いている。
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