江戸時代後期のもので「八王子最古」と言われる八幡町旧2丁目の山車が、8月4日(金)から6日(日)の八王子まつり期間中、およそ30年振りに姿を現す。車輪などが傷んでおり長い間使用されていなかったが、市制100周年にあわせ修理が進められてきた。今回運行はなく展示のみとなるが、「今年のまつりのエポック(画期的な出来事)になる」と関係者は期待を寄せる。
八幡町には2つの山車がある。1丁目のものと、今回披露される2丁目のもの。戦後、町会の再編が行われ「1丁目」「2丁目」がひとつになり、一つの町会で二つの山車を持つようになった。
2丁目の方が古く、傷みも多かったため、多賀神社(元本郷町)にある山車蔵から出される機会は減っていった。気が付けば30年間、蔵へ「入れっぱなし」だった。
「あの山車はどうした?と、まつりの度に言われました。町会としては修理をしたい意向はずっとありました」。山車の管理をする八幡町1・2丁目町会の長谷部良幸会長は話す。
3年ほど前、市制100周年の話題がのぼり始めると、町会は「記念」を機に市へ修理を相談した。「費用は相当かかる。ここを逃したらチャンスはもうないと思いました」と、前会長の伊藤俊輔さんは振り返る。そして「100周年にむけて直していく」方向で補助金が実現し、昨年春が始まる頃、大改修が始まった。修理は市内の宮大工に依頼した。
再来年には運行を
山車は現在、ようやく車輪が直った状態でまだ引くことはできない。今回まつりで一旦披露をするがその後、本体をすべて解体し、さらに修理を続けていく。長谷部さんは「再来年(2019年)のまつりに間に合えば(運行ができるようになれば)」と長い目で見守る。
今回の大改修に携わる市文化財保護審議会会長の相原悦夫さんは「表に出す時が来たのかと思う。展示は今年のまつりにおいてエポックになる。たとえ引かれなくても置いておくだけでまつりの『深み』が違ってくる」とこの山車の存在感の大きさを話す。長谷部さんは「町会の長年の念願でした。ぜひ見に来て下さい」と呼びかける。
展示はまつり期間中、甲州街道沿いの「八王子メガネ」「伊藤祐次商店」がある交差点で行われる。なお山車に諌鼓鳥(かんこどり)はのらない。
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